今回は16名の参加でした。
事務局からの連絡で次回11月は20日の開催です。
お間違えのないように!
中島会員の出展作品1/72マモリ社の武装カッターのハンターです。
1797年の沿岸警備で活躍した武装カッターです。
武装カッターといえばアラート1777年が有名ですが、こちらは1797年です。
文献を調べると、HMS HUNTERは3隻あります。
1755の2本マストのスループ。
1763~1771に活躍した72t艇長15m28人乗りのカッター。武装は3ポンド砲4門
1796~1797に活躍した336t船長30mのスループ。武装は24ポンドカロネード砲が16門です。
ということで、実在の船ではなさそうです。
船体はChapmanの図面を参考にしていると説明がありました。
この本は、18世紀のフルート船、フリゲートなど多種多様の船体図面集です。
意外にリーズナブルな価格です。
この本の後半、LX 6にEnglish Cutterがあります。
図面では全長54フィート(16m)3ポンド砲12門スイベル14門、オール5組となっており砲の種類以外はキットとぴったりです。
このキットの砲はカロネ-ド12門です。
砲耳が付いていますので、お馴染みのものよりかなり初期のものです。
おそらく12ポンドでしょう。
同時代の武装カッターのドルフィン(93t艇長18m36名)が12ポンドカロネード砲4門を備えているので
この時代でもカロネード砲を備えた武装カッターはあったようです
武装カッターにカロネード砲というのは理屈からいいうと不合理です。
沿岸警護が目的で艦隊戦をするわけではないので、射程の短さは不利です。
1778年ころに英国で発明されたカロネード砲は榴弾砲ではなくはありません。
軽量砲で上甲板に備えられ、少人数で扱え大きな砲弾が撃てる砲で英国、フランスで積極的に使われました。
ナポレオン戦争時(1799~1815)には小型艦艇にカロネード砲の装備が進められたようです。
ただ、オンタリオ湖の戦いでアウトレンジ戦法をとられカロネード砲を一発も撃てないということが発生し
失敗だったと文献には記載されています。
British artillery on Land and Sea1790-1820 P17
スイベルは3本のみたてておられます。
帆船時代の船は漏水が凄まじいためビルジを汲み上げるポンプがないと確実に沈没しました。
そのため、必ず複数装備されます。
Ships Bilge Pumps
Thomas J Oertling
ここで他の会員からクルミ材にしては木目というか 気孔 が目立つという話がでていました。
ガンポートのヒンジは大きくなりがちなので正確な寸法を意識されています。
こちらのウインドラスは100円ライターの部品を流用されているそうです。
中島会員の作品には珍しくセールが付いています。
カッターの特徴としてバウスプリットが非常に長いです。
中島会員からは次回は写真の撮影ノウハウについて講演いただけるようです。
今から楽しみですね。(^o^)/
次は西川会員からクリンカービルドの模型加工での手法の説明です。
バイキング船やコグ船、オランダ船などではクリンカー張り(鎧張り)が必要となってきます。
ただ、実物どおり、下から上へ重ね合わせると意外に大変な作業となります。
西川会員は、外板を三角形に加工して見た目クリンカー張りに見えるようにされたそうです。
発想の転換ですね(^o^)/
三角形の加工にも大槻マシーンを活用し、きれいに加工されています。
次にB曲げの治具の紹介もありました。
木は圧縮に耐えますが引き伸ばしに脆弱なので、決して外側を伸ばしてはいけません。家具工房では銅板を沿わせて外側が伸びないようにします。とにかく内側を圧縮するイメージでB曲げしてましょう(^o^)/
また治具として半田コテの先に付け替えるミニアイロンの紹介がありました。
これは外板張りなどで大変便利です。
是非ひとつ揃えましょう!!
これも非常に便利です。上手に温度設定すると木を焦がすこともありません。お勧めです。
今回はここまでです。次回は11月20日です。ご興味のあるかたは是非、見学に来てください。