4月の例会の様子

GW中にもかかわらず16名の参加がありました。

最初に田中会員から、一昨年の11月の例会で紹介のあったウクライナ製のキャプテンジョン・スミスのシャロップです

田中会員はOlhaBatchvarov(オルガ・バハヴァーロフ)さんのYouTubeを参考にされていると説明がありました

ウクライナ出身の写真家で現在アメリカに住んでおられ、帆船モデラーで、なかなかの技巧派でびっくりするようなアイデアが出てきています。

今回の船は1608年にジョンスミス船長がチェサピーク湾を探検するために使ったシャロップshallopという低喫水のオール付きのボートです。
余談ですが、このボートを運んだのがスーザンコンスタントです。

シャロップという船型は1780年のファルコナーの海事辞典によると
a fort of large boat with two masts,and usually rigged like schooner
2本マストのスクーナーに似た大型のボートとなります。

今回のシャロップは一本マストです。平底の低喫水でオールも備えています
両舷に羽子板のようなものがついていますが、リーボードと呼ばれる安定板でオランダの王室ヨットによくみられます。

今回ご紹介するのは、セイルの縦ラインです
通常は、ミシン掛けや鉛筆で線を書いたりをしますが、今回はミシン掛けをせずに1mm以下のきわめて狭い間隔もできてしまします。

セールの二倍の生地を用意します。半分を染めます。
これが縦に入る線の色となります。

経糸をゆっくりと引っ張ります。

そうすると、非常に狭い間隔でお綺麗な縦線が実現できます。

ただ、生地選びと、染料選びはコツが必要なようです。

生地が平織(経糸と緯糸緯が1本ずつ交差)

斜子織(2本ずつ引き揃え)

綾織(経糸が3本の緯糸の上を通過した後、1本の緯糸の下を通過)や朱子織(経糸と緯糸5本ずつで組織)

がありますが
平織が経糸が抜きやすいようです。

キットの説明もあり、外板はプレカットされており、鎧張りが簡単にできるようになっているようです。

田中会員は、エアブラシを使って水性のオイルステインを使って綺麗にしあがておられます。

樽など見事に塗装されています。

是非7月の作品展に来てください (^o^)/


次は金岡事務局長のマスト・パートナーの製作についてです。

今回の作品展では構造模型のハーフモデルを出典されます。

そのため、普段はあまり目立たないマスト・パートナーがkeyとなるので

精密加工をされました。

角度を正確にかつ素早く加工できるように、治具を作成され加工されています。

実際に加工された実物がこれです。
大変綺麗に加工されています。

是非、7月の作品展に見に来てください(^o^)/

最後は、西川会員が東京のザロープの作品展にいかれた報告です。

今回は、ミニュチュア帆船模型の第一人者の坪井先生の特設コーナーがあり、大変感激したと報告がありました。
保育社のカラーブックス 帆船模型 昭和57年6月 にラ・フロール1/300の説明が載っています。90ページ
デッドアイの径1~1.5mmに0.2mmの穴を3つあけ糸を通した・・・・
気の遠くなるような精巧な作品だったそうです。

今回はここまでです。次回をお楽しみに(^o^)/

3月の例会の様子

今回もわいわいがやがや楽しい例会でした。

1.帆船模型におけるLEDの使用について  田中一会員
2.チェーンプレートについて 西川会員
3.その他

1.帆船模型におけるLEDの使用について  です。

当クラブのギミックの第一人者の田中会員から
ろうそくのような光り方をするLEDの紹介がありました。

大阪日本橋 大阪メトロの恵美須町駅をあがってすぐのところにあるシリコンハウスで購入されたそうです
こんな感じのキットで

こんな感じに光ります。

ゆらゆらとゆらぎます。



2.チェーンプレートについて 西川会員

次はチェーンプレートについて教室でもおなじみの西川会員から講義がありました。

何時ものように大変分かり易く丁寧な説明されました。

キットと自作の比較を丁寧に説明されていました。

自作の場合は、銀ロウ付けが必要になります。

粉銀ロウを使った真鍮線の接合と黒染液による染がポイントです

どちらも経験がものをいいますので

レジェンド中島会員から助言がありました。

今年の作品展は、7月4日~6日といつもより早くなっています。

詳しくは、近々に案内させていただきます。

今回は、ここまでです。次回をお楽しみに(^o^)/

2月の例会の様子


大変寒い中、今回も16名の参加です。
今回は、三木会員からの発表でサスケハナの製作
 1/120ウッディジョーのキットです。
次は、金岡事務局長からの発表で、マイクロクラフトで
テストショット中のロイヤルキャロライン1/48の
構造模型のキットです。
レーザーカットされています。
外板、甲板の釘打ちの奥義の披露がありました。


最初の三木会員の発表です。
今回のキットはウッディジョーのUSSサスケハナです。

黒船来航の4隻(ミシシッピー、サスケハナ、サラトガ、プリマス)のうちの1隻です。

外輪船を備えた蒸気船です。
この当時既に艦隊にスクリュー艦はありました。

1852年竣工のプリンストン号です。

ボイラー不調で艦隊からは外されています。
サスケハナ船種としてはフリゲート艦になります。


排水量が3000tを超えていますので結構な巨艦です。
ドラマと異なり、戦列艦式に大砲を並べている船ではありません。

ダールグレン砲という大砲で
10インチ砲を2門、8インチ砲を6門です
25センチ砲と20センチ砲ですから排水量から考えるとかなりの巨砲です。

ダールグレンとは、アメリカ海軍兵器の父と呼ばれるジョン・アドルファス・ダルグレン1847年にワシントン海軍工廠に兵器工場を設立しています。

1848年青銅製榴弾砲を作成し、ペクサン砲が榴弾のみ撃てて、従来のソリッド砲弾が撃てないので両方打てるダールグレン砲を開発。9インチ砲と11インチ砲が1850年に米国海軍の標準兵器として採用されました。

大砲は滑らかな曲線を描いた形で、砲尾が丸く大きく砲口は細くなっています。

話がそれましたが、キットの話です。

ウッディジョーから1/120キットが出ています。

品質も良く説明書も丁寧なのですが作りやすさを優先しているので、種々手を入れておられます。

船の科学館のガイドブックを参考にされています。

これとは別に洋書も参考にされています。

サスケハナのモノグラムです。

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ダルグレン砲はその砲架に特徴がありますが、三木会員はトライ&エラ―を繰り返しながら、見事に再現されています。

大変複雑な形状をしていますが、これでどちらの方向へも砲弾が撃てるという優れものです。

最後に三木会員から訓示がありました。


次は金岡事務局長からの1/48のロイヤルキャロラインです。

今回は甲板、外板の釘打ちについて奥義の紹介がありました。

今回は実編もありました。

最初に釘にするために0.8mmの棒材の切り出しです。

厚さ0.8mmの板を加工して作ります。

それをプロクソンのミニサーキュラーソーに特殊な治具を付けて0.8mmがカットできるようにされています。

治具がなければ鋸の隙間に材が巻き込まれ全然上手くいきません。

自作のひご抜き板をつくられています。

1mmまでであれば市販しています。

材はツゲよりも桜が良いそうです。

ここまで細いひご抜き作業となると材を選びます。

ヒノキでは全然ダメです。

極細の丸棒を釘打ちするための治具も自作されています。

これだけでも結構大変と思いますが実に上手く加工されています。

実際に釘を打っている様子です。

爪切りで木釘の長さを調整しています。

今回はここまでです。

次回をお楽しみに!(^^)!

11月の例会の様子

今回は、3名の方々から発表がありました。

大南会員の帆船制作と私です。

大南会員の船舶モデル以外の趣味についてまず説明されました。

今まで作成されたモデル エンデバー、ピンタ、チャールズヨット、ポーラッカ、菱垣廻船、カティーサーク、

2024の作品の忍路丸の解説をされました

 

 


金岡会員のワンポイント

 サーキュラーソーによる板材制作です。

厚さ18mmのペアウッドを製材していきます。

もちろん細部をチューンアップしています。

丸鋸は巻き込みがおきますので、最初と最後はアテ木をあてると切れ口が綺麗にいきます。

細い材に製材するときには、隙間に材が入らないように工夫します。

丸鋸もアサリありと無しでの使い分け。

80山の木工用ブレードはポピュラーですが、今一つ頼りないです。

写真のチップソーはガッシリしていてザックザックと切っていきます。

その他いろいろとプロクソンサーキュラソーを使用した製材方法のコツについて解説されました


太田会員のロイヤルキャロラインPDFキット構造模型キットの解説です。

治具はMDFで作られていますが、フレームの調整にずいぶんご苦労なさったようです。

 

 

最後にキャロラインの見事な作りこまれたキャビンを写真を見ながらの解説です。

今回はここまでです。どうぞ皆様 良いお年を(^o^)/

10月の例会の様子

暑さもひと段落した中での開催でした。

今回は、18名の出席です。

最初に臨時総会がありました。

今年は決算が遅れてしまいましたが無事済みました。


三木委員の司会進行です。

今回も盛りだくさんです。

最初に今回新たに会へ入られた西田会員の紹介がありました。

西田会員は大阪大学理学研究科生物化学専攻の教授だった方です。

また岩波科学新書の「すべては卵から始まる
も出版されています。

amazonでも入手できます。

読まれた方もおられると思います。

1世紀前からの謎を解明!動物の左右をつくる新しい原理を発見

世界初!多細胞生物が外来DNAから細胞を守る仕組みを発見!

もニュースになりました。

凄い方が入会されました。

船もブルーノーズに始まり

種の起源のHMSビーグル号、

飛鳥2も作られLEDで電飾される凝りようです。

構造模型のキットも手掛けられ、

現在ビクトリー号の建造中です。


驚いたことに何ら工具をもっておられません。

ベテラン会員からいろいろと質問が飛んでいました。


次は前田会員の帆船模型教室でのチャールズヨットの製作です。


模型教室は①キールとフレームの組立、②外板張り③甲板張り④艤装ばうスプリット⑤装飾⑥チャネル⑦ステイ・シュラウド、⑧セール、⑨仕上げ、⑩船台
と盛りだくさんです。

大変親切に教えてくれたとおっしゃってました。


フレームの間を全てバルサで埋め込むフィラーという作業には少し戸惑ったそうです。

整形が大変で#80のやすりでもなかなか削れなかったとおっしゃってました。

道具も段々と増えてきたそうです。

やはり、最初の一隻というのは完成した時の感動も特別なものがあるようです。
教室にご興味のある方は遠慮なく問い合わせメニューからメールしてください。


次は五十嵐会員の3Dプリンターによる大砲の製作です。


2022年8月にELEGOO MARS3を導入し、苦労の末造形に成功され造形物を皆に披露されていました。
3DCGからデータを起こし、STLを出力して、エラーチェックをかけ、スライサーソフトで読み込み USBメモリーを3Dプリンターにさして造形を始めます。


高さ5cmならだいたい3時間かかります。

造形が終わったら、未反応レジンを取り除くため水洗>超音波洗浄します。

日陰でしっかり乾燥させて、UV照射をして2次硬化します。

ネイル用の廉価なUVでやっていますが、専用機も試したくなっているそうです。

超音波カッターでサポートの切り離し
一連の流れについて説明がありました。
会員から3Dデータの作成について1カ月でデータ作れるだろうか?という質問がありましたので、近々に
特集として「大砲の3Dデータを作る」を連載します(^O^)/


今回はここまでです。次回をお楽しみに(^o^)/

9月の例会の様子

連休の中での開催でしたが
15名の出席です。


最初に金岡事務局長から会計報告がありました。

三木委員の司会進行です。

今回も盛りだくさんです。

新入会員の紹介
ギミックの凝った作品の紹介
ポーランド製の精密ペーパークラフト作品
などなど・・・

最初に新入会員の紹介です。

佐藤会員の紹介がありました。

佐藤会員は、作品展に作品を出品されています。

今後が大変楽しみです(^o^)/


最初は田中会員のグレーテルです。
この船は田中会員十八番の電装ギミックが満載です。

   

日本橋のシリコンハウス共立で麦球の様な光り方をするLEDを入手されています。

抵抗とセットで購入されたそうです。

   


これをランタンや船内灯にうまく仕込んでおられます。

絶妙なマッチングでゴテゴテしていません。

スッキリと収められています。

船体を作成する際に電池ボックスのスペースをあらかじめ用意されています。


回路図の説明もありました。
+極側(LEDの足の長い方)を間違えないこと。
LEDの順電圧と順電流を確認します。
抵抗に流れる電圧は電池の電圧ー順電圧です。
電池の数でオームの法則で順電流以下になるように抵抗値を決めます。
抵抗値はカラーコードにより確認します。
なお、LEDは電流制限抵抗が必須ですので抵抗なしに電池と直結しても光らないそうです。


次に中島会員からペーパークラフトのHMSビクトリー号の説明がありました。

昨年に続いてのペーパークラフトです。

このキットはVESSEL社のSHIPYARDブランドの 1/96の全長1m超えでのHMSビクトリーになります。


日本円で3万円弱、ポーランドの会社のHPをみると189ポーランド・ズウォティーとありますので7000円程になります。


VESSEL社はポーランドにある1985年創業のCARD BOARD MODELメーカーです。
ブランド名はSHIPYARD
ホームページはこちら https://model-shipyard.com/gb/sailing-ships/33-mk002-hms-victory-no-41.html

超精密ペーパークラフトの本場がポーランドでGPM社など幾つもの会社があり、ジャンルも船だけでなく、飛行機、AFVと幅広です。
精密どもプラモデルを凌駕するといわれています。

写真にある手製の小型ノミや鉋で制作されています。
鉋を自作するときの注意事項の説明がありました。
一般人では鉋は調整だけでも手に負えないのに自作など・・・です。

船尾の格子など全てノミ作業だそうです。
超音波カッターがあるとずいぶん楽ができるところですが、道具でやってしまうところが匠の技です。凄い

この錨もペーパーだそうです。
とても紙には思えないのでさすがです。

アンカー本体もアンカーストックもペーパーだそうです。

重量感がたっぷりあります。

大砲は、紙の大砲と金属が混じっています。


ここに見える旋回砲は紙だそうです。


マストは木だそうです。


こうなるとどれが紙か分かりません。


やはりビクトリーは貫禄があります。

本日はここまでです。

次回をお楽しみに(^o^)/

5月の例会の様子

寒暖差の激しい今日この頃ですが如何お過ごしてでょうか。

作品展も7月5日~7日もまじかに迫り皆作品作りに邁進しています。

今回は20名の参加です。

____________________________

今回の例会のレジメです。

最初に総会、その次に作品展の説明、

最後にVASAの映像です。

最初は、総会です。

大石会長から説明がありました。

5年度事業の報告がありました。

また、6年度の人事体制についても説明がありました。

一部役員が変わります。

5年度の事業報告です。

改めて見直すと結構いろいろやってきたなと思います。

キットの説明や、各会員の工具箱といって工作部屋の紹介もありました。

会員から技の披露もありました。

外板の張り方、ロープの撚り方、銀ロウ付けの簡単な方法など色々な技術紹介がありました。

会員からの不要品のバザールもありました。

バザールはいつも大変賑やかになります。

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作品展についての説明がありました。

今回は今までと場所が変わります。

場所は、大阪駅前第2ビル5階ギャラリーA

7月5日金曜日~7日日曜日まで
10時~17時 最終日は16時

搬入・搬出の仕方が大きく変わります。出展者への注意事項の説明がありました。

最後にNHKの沈没船クエストの紹介がありました。

5月29日(水)午後7時57分~ 再々放送されます。

結構人気なようで何回も再放送されるようです。

VASAの船内に入っての映像は、帆船モデラー必見です。

沈没船クエスト – NHK

今回はここまでです。次回をお楽しみに(^O^)/


2月の例会の様子

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遅くなりました。

2月の例会の様子です。

今回は早川会員の作品を振り返っての製作技法の紹介がありました。

DSC_0895

早川会員の作品は、第40回作品展記念 早川 昌 個人展に写真が掲載されています。

これは1972年の作品でオランダ船です。

まだ、帆船模型が一般には全く知られていなかった時代です。

参考になる文献もなく、洋書も今と異なり殆ど入手不可の状況で、よくここまで調べてククラッチビルドされてとただただ、驚きです。

DSC_0904

早川会員はクリンカービルド(鎧張り)の作品が見事です。

早川会員は独自の治具もいくつも開発されています。

電動工具も自作されますし、刃物関係も自作されます。

DSC_0919

これは早川会員の自作のカンナです。

簡単に自作されるのですが、これが実に使い勝手が良いのです

こういった精密な作業は早川会員ならではのもので、中々真似のできるものではありませんが、皆さんもチャレンジしましょう。

こちらは早川会員から紹介され帆船模型を作る人の必須のノコギリです。家具や楽器用の細工ノコです。

大変薄くかつ切れ味が抜群なのこで、大きな材でもサクサク、精密な加工にも大変重宝します。

なんと、ここ10年で価格が倍になりました。

他にも作品について様々な紹介がされましたが、是非この夏の作品展に足をお運びください。

今回はここまでです。

次回をお楽しみに(^O^)/

11月の例会の様子

遅くなりました。

11月の例会の様子をご報告いたします。

最初に事務局長から次回作品展の開催場所など事務連絡がありました。

今回は16名の参加でした。

作品展の開催場所が従来とは変わりそうです。

決まり次第順次情報をアップします。

2024年7月の作品展の開催情報を細目にチェック願います。


西川会員から帆船模型教室の活動報告と外板の張り方について説明がありました。


今までの教室の模型、チャールズヨット、ピンタ、スコットランドと並んでいます。

教室のスケジュールについても説明がありました。

これだけ密なスケジュールでも1隻完成させるにはちょっと不足気味のようです。

実際の教室での苦労話がありました。

これはチャールズヨットですが、イラストも自前で書かれてわかりやすく解説されています。

チャールズヨットの外板は一重張りです。

教室では一通張りを指導していますので、枚数を正確にカウントしながら寸法を決めて外板を成形しながら計画的に張っていきます。

また、キットの説明書と教室で使うテキストの相違点についても説明がありました。

苦労するのがB曲げです。A曲げとことなり中々曲がりません。何か工夫がいりそうです。

ベテランの中島会員からアドバイスがありました。

簡単な治具を上手く活用して、きれいにB曲げする技の説明がありました。

詳細は、一度教室か例会に来て聞いてくださいね

そうすると、ベテランの早川会員からさらに工夫した治具の説明がありました。

今回の例会はお得感があるなぁと思いました。

是非やってみようと思いました。


次に田中会員からの制作報告です。

ウクライナから帆船模型キットを直輸入されたお話です。

プラモデルの世界ですとフルインテリア(内部再現)キットのミニアートが戦争中にもかかわらず新製品をどんどん発表しています。そのたくましさには驚かされますが、今回もウクライナのキットメーカーからの輸入です。

船はキャプテンジョンスミスのシャロップです。

ちょっとマニアックな船になります。

簡単に言うと探検用の浅瀬も自由に行動できる小型のヨットです。

ジョンはディズニーにも出てくる17世紀初頭に探検をした英国人です。この船についてはNational Park Serviceのホームページにも詳しく解説されています。15人乗りの30フィートほどのリーボード(風上に上る際に船の横流れを防ぐ板:今のダガーボード)を備えた船です。浅瀬でも軽快に動き湾の探検に最適でした。

復元船が製作されています。Model Ship Worldにも詳しいこのキットの制作日誌が掲載されています。

綺麗な図面がついています。

セールの図面もあります。

リーフポイントが描かれています???

レザーカットされたきれいなキットで組み立てやすそうです。

海外ではメジャーな1/32のキットのようです。

ググるとたくさんヒットします。

材は治具はMDFですが、ブナと榛の木のようです。

榛の木はあまり聞かない名前ですが、かつては良質の炭や黒色火薬の原料になったり鉛筆材だったようです。

治具の実物の紹介もありました。

寸法がきちっととれているので、さすがレーザーカットという感じです。

3Dプリンタとレーザーカットは帆船模型のゲームチェンジャーになるかもしれません。

今回はここまでです。みなさんどうぞ良いお年を(^O^)/

10月の例会の様子

遅くなりました。

10月の例会の様子を御報告します。

今回は17名の参加でした。

今回は、金岡会員の電動糸より機と

中屋会員のHMS ROSEです。

 

最初に事務局長からの事務連絡がありました。

 

 

 


最初は金岡会員から電動糸撚り機の発表です。
部品リストです。
大変廉価に組まれています。

 

太いロープが必要な場合やS撚り、Z撚りにこだわる場合に糸撚が必要です。
電動でやるとが早く楽に作業ができます。
手動のオリムパス製絲 ストリング-II 高速式回転ひもより器がおなじみと思います。
今回は、電動です。また横型ではなく故白井先生が紹介されている縦型です。
縦型は洋書によく紹介されている横型と異なり、下撚りから上撚りへの切り替えが自動でなされます。

 

下撚りをかけていくと、1割ほど縮み、それから重りが自転し始めます。この重りの自転が上撚りで下撚りよりの時よりかなり早い回転で回ります。また、この時に分離機が自転しないように押さえる必要があります。

分離機は自動的に上に移動していきますが、
注意しないと分離機自体が自転し分離機の上に撚りがかかるとダメになります。

重りが回転を始めたら分離機をしっかりと回らないように支えてやる必要があります。

金岡会員からは、重りの自転がはじまったら、モーターを止めた方が撚りが綺麗になると紹介がありました。

 

 

 

 

 

さて製作について紹介がありました。
設計図を起こされるのは、さすが金岡会員で見事な図面を書かれています。
ギヤ比9.5ですので、撚り回転数は600rpmとチョット速めです。
駆動部分はタミヤの工作セットのミニモーター標準ギヤボックス (8速タイプ)を活用されています。
ミニモーター標準ギヤボックス (8速)
蛇足ですがシングルギヤボックス(4速タイプ)の方が200円安いです。大変リーズナブルで入手も簡単です。糸撚機を自作する場合、歯車の入手が大変です。しかも高く1つ200円くらい軽くします。
ところが、タミヤの工作セットのギヤセットはなんと歯車が5つも入って320円と大変リーズナブルです。
また、糸3本を撚るのですが、糸をかけるところがO型アンカーとするところですが、金岡会員はここでも一工夫されています。
ささめ針(SASAME) P-234 道具屋 一発ハリス止
というワンタッチで糸が挟めます。

苦労して結ぶ必要がありません。
これは大変たすかります。

組み上げた状態です。
ここでもさすが金岡会員、シャフトと歯車の間に心棒を通して滑らない様にされています。
本当にキッチリと工作されています。

実演もされました。
皆さん興味津々です。
実演では撚り時間が40秒ほどでしたので
甘撚りでした。

糸の撚りについ少々解説します。
撚数ですが糸が太くなると少なくなり、細くなると多くなります。
そのため撚り係数=撚り回数/ルート(番手)という
単位を使います。/mと/インチの2種類があるのですが、自明なので、/mと/インチは省略されることが多いです。
ポリエステル、綿糸、皮革加工でつかう麻など種類によって撚り具合は大きく異なります。
綿糸の場合は撚係数:通常3.5〜4.2回/インチ 138〜165回/mと言われています。

強撚  撚係数が5回/インチ~、
甘撚  撚係数3.6回/インチ
超甘撚 撚係数3回/インチ以下
糸の太さと比較すると
撚係数3.5〜4.2回/インチ
8番 754回 902回
20番 616回 737回
30番 389回 465回
撚りが甘ければ撚り目が垂直に近く、強くなると撚り目が水平方向に傾きます。
上撚り(うわより)とは、単糸を撚り合わせて1本の糸(双糸や三子糸)にする場合の撚りのことを指すもので、単糸にかかっている撚りは下撚りとされる。
上撚りは単糸の撚り(下撚り)とは逆方向によりをかけます。
撚り数は下撚りの約80%程度です。


次は中谷会員のhmsRose 1706です。
中谷会員はスケールは1/72と決めておられるようです。
今回の作品は、National Maritime Museum 国立海洋博物館にある
1/48の構造模型の模型です。
最初にこのHMS Roseという船ですが
中谷会員は良くNational Maritime Museum 国立海洋博物館のcollectionから写真や図面を入手されています。
この船もネットから素晴らしい写真がとれます。
このドッグヤードモデルはチャタム造船所の船大工長だったベンジャミン・ローズウェルの作品と説明されています。
HMS Rose 1706
Rose(1706); Warship; Sixth rate; Sloop; 20 guns
Scale: 1:48.

では実船はどんな船だったのか?これが今ひとつ分からない。

 

 

 

 

British Warships in the Age of Sail 1603–1714を見ても該当する船がない!!

 

 

 

 

 

文献を調べてみると
Navy Board ship modelsという構造模型の本を見ると160頁に載っています。
記述を抜粋すると

「この船は1712年チャタム造船所で進水した24門6級スループ艦と一応特定されている」

 

 

1712年のローズですが、
1710~1712年に造船されたジブラルタル級20門艦の8番艦、94フィート、273tと小型艦です。

建造費£2093だったようです。

大きさも価格もバウンティー号とほぼ同じです。

中谷会員の独特の製作方法で、左右別々に組み上げていきます。

こうすると通常のハロルドーハンの製作方法よりも、加工に精度が求められます。

各フレームのフトックは左右でピタッと一致しなければなりません。

また、ハロルドーハンの方法だとフレームの位置は固定されますが、この場合フレームの位置をどうやって決めているのか?
フレームは数が多いので0.1mmずれただけでも40フレームもあれば4mmもズレるわけですから。
図面通りにピッタと作る。
この辺の巧みの技にはただただ尊敬の念しかありません。

左右別々に砲門を開けます。
この時は、左右別々の方が楽なような気もします。
更にウエルを付けていきます。

 

 

 

左右を合体させます。
フロアーを付けていきます。
メインマストの足下にある箱形のものはショットロッカー弾薬庫とランプ室です。

電灯のない時代に火気厳禁な弾薬庫の明かりは隣りの部屋の明かり(ロウソク)で照明をしていました。
メインデッキの加工です。

ビーム(梁)レッジ(横材)カーリング(縦材)を付けます。
レッジとカーリングが組木になっているのが英国艦の特徴です。
あとひとつ、ハンギング・ニーだけでなくロッジング・ニー(水平方向のL材)も英国艦の特徴です。

当たり前のようにカーリング(縦材)がまっすぐに出来ています。
しかし、これは短いカーリング(縦材)とビーム(梁)が組木になっているので、ガタガタにならずまっすぐに仕上げるのは大変です。

船尾のチェックの床面は英国艦の特徴で、これを組子細工でされているので、ただただ感心です。

船尾の彫刻は柘植を掘っておられます。
彫刻する場合は、やはり柘植が一番です。
カステロやアマレロなどの代用柘植とは出来映えが違います。
ただ、柘植は入手難で高価です。

 

一部甲板を張って、大砲を置いていきます。

縮尺が1/72なので、大砲も小さいので加工が大変です。

 

 

砲架を治具を使って正確に加工されています。

段々を削るのに、ちょっと変わった方法で加工されています。

 

 

先端ビットで削るのでは無く鋸を入れて段々加工されています。

穴開けも、型を作って正確にあけておられます。
凄いですねぇ~

 

 

 

まだまだ話は続くのですが、今回はココまでです
次回をお楽しみに(^^)/