大阪市生涯学習センター(大阪駅前第2ビル)で11月の例会を開催しました。
今回も盛り沢山の内容でした。
①滑車について(早川会員)
②帆の作り方(中谷会員)
③ガン・ボートの作り方(大石会員)
今回は3回に分けて詳細にお伝えします。
今回は滑車を自作する。早川会員です。
1 滑車(ブロック)について
ベルプール(フランス戦列艦)の静索関係だけで188個もの滑車を使います。
リストに最初の80を表示しています。
索の太さと滑車の大きさがリストアップされています。
ベルプールで実際に使った索です。
90番のポリエステルの糸から、十数種類もの糸を使っています。
滑車にはシングル、ダブル、トリプルのほか特殊な滑車があります。
滑車の大きさはその索に由来します。
ベルプールでは1.8mm~5.5mmまでの10種類のサイズの滑車を用意しています。
クリューラインブロック、フィドルブロック、シューブロック、ショルダーブロックなどの特殊な滑車もあります。
実際のリギングのどこに使うのか横浜帆船模型同好会の冊子から抜粋です。
帆や索に引っかからないように滑車が工夫されているのがよくわかります。
なお、フィドルブロックは英国船では使いません。大小の滑車を縛って使いますので注意が必要です。
英国式と大陸式でトップの形状、リフト索の取り回しなど作法が異なることが多いので注意が必要です。
今回でてくる道具です。
ペンチは先端に真鍮線が銀ロウ付けされており、滑車がつかみ易いように工夫されています。
穴あけ用のルーターは、実は電動消しゴムです。写真はサクラ製のラビット電動消しゴムです。
スイッチの場所が絶妙で結構パワフルに穴をあけます。
サンドペーパーは角材に荒め、細、仕上げ、と3種類のペーパーを貼って作業効率を高めています。
糸の子は、マイクロ糸鋸と呼ばれるもので、バローベ社(スイス)やスーパーパイク(スイス)、アンチロープ(独)、スーパーQ(独)などがあり#6/0 厚さたったの0.18mmです。10本400円ほどです。
棒状で加工を進め最後に切り離します。
イメージは以下のとおりです。
堅木(洋ツゲ)片から3.8x2.8mm角を20cm切り出します。
木の種類は重要です。
写真では豆鉋を使っていますが、金属製の500円のミニカンナでも性能は充分です。
ミニ溝切カンナの構造
刃は、ノコ刃のアサリ部分を研磨して0.5mm厚にしています。
スペーサーにより隙間を自在に変更できます。
溝の深さは手で感じながら調整です。
溝掘り完成後 中央が甲高になる様整形して仕上げる。
必ず切り離す前に実施します。
渡邉ジグ板で単体の半切マーキング
等間隔にマイクロ糸鋸(バローベ社(スイス)やスーパーパイク(スイス)、アンチロープ(独)、スーパーQ(独)#6/0 0.18mm)でスジを付けます。
切り離なさないように注意します。
実演の風景
次回は、帆の作り方です。ミシンを全く使わないすごいテクニックです。