8月の例会の様子 その2

8月の例会の様子の後半です。

中谷会員のヨット・マリーの製作とタトゥーシールの応用です。

最後は、五十嵐会員のDe7Provincienの製作です。

 

 

ヨット・メアリーの制作

Van de Velde(ファン・デ・フェルデ)父息子の絵画を参考にされたそうです。

 

 

Willem Van de Velde – The Royal Yacht Mary

フェルデ父は単色画が多いですが、非常に繊細な絵です。フェルデ息子は非常に鮮やかな絵を描いています。

Willem Van De Velde The Younger The English Royal Yacht Mary

苦労されたのが、絵によって舷側の色が黄色だったり、赤や、青だったりすることだそうです。

 

 


次は、タトゥーシールの応用です。
17世紀の船は装飾が派手です。
帆船模型では絵を描く必要があります。
例えば、プリンス・ウイレムの船尾の下側、ウイング・トランザムの上カウンターティンバの凹部ところの絵などがそうです。

長崎のオランダ村にあったプリンスウイレム1995年撮影

 単純にラッカーで描写すると、下地の木材とよくなじまず、違和感のあるものとなります。
 そこで、タトゥーシールと呼ばれるものを活用します。

 

 

印刷した透明シートに両面テープの様なものを貼って、貼り付けます(印刷像は左右逆転しますので注意)


透明シートに印刷するので、下地の木材とよくなじむのですが、黒檀、リグナバイタ、パロサント、サティーネ、パープルハートなど色の濃い木材の場合、絵柄が下地の木材に負けて鮮明になりません。

そこで、中谷会員がその部分をどうするか工夫されましたので紹介します。

印刷面にタン色のペイントをのせ、下地が透けすぎないようにしています。

徐々に色をのせているのが、分かると思います。

 

 

結構てまです。

 

 

 

 

出来映えを考えると十分その価値があります。

 

 


五十嵐会員のDe 7 Provincien(デ・ゼーベン・プロビンシエン)
7つの州号の製作談です。
良い図面がないなかで、2DCADだけで進めたため、フトックのスペースが揃っていません。良い図面を会長に見せてもらうのが一番良いとのことでした。
船首、船尾のフロアー、フトックの製図はやはり3D・CADが便利で、無料のFreeCADや実質フリーのFusion360があります。
機会があればFreeCADの活用事例をご紹介したいと思います。

オランダ船のグレーチングは非常に薄いです。

 

 

 

1/96の本作品では幅は縦横とも1mmです。

 

 

 

厚さが縦材0.4mm、横材0.8mm

 

 

 

通常の櫛状に加工する方法では製作できません。

 

 

 

1.6mm厚さのサクラの板に深さ04mmの溝を掘ります。

 

 

次に深さ0.8mmの溝を掘ります。

溝が掘り終わったら、はば1mm厚さ0.4mmの板を0.4mmの溝にはめていき木工ボンドで糊付けします。

ひっくり返したて、背面をサンドペーパーで慎重に削っていきます。

慎重に0.8mmの深さに掘った溝がでてくるのをまちます。

 

 

 

慎重に、慎重に

 

 

 

船体に取り付けたところです。

 

 

今回の例会の様子の紹介はこれまでです。

また、次回をお楽しみに!!

近々に7月に開催しました作品展の写真集を掲載しますので、今しばらくお待ちください。