8月の例会の様子

まだまだ暑い日が続きますが、本日は17名の参加でした。

今回から三木さんが司会進行をされました。
最初に新入会委員の紹介がありました。

次に、金岡事務局長から作品展の結果について報告がありました。
今回、展示会場が変わりましたが、参加者総数やリピータ数、新規参加者には特に変化はありませんでした。
今後さらに多くの方々に見ていただけるよう工夫していきます。

松尾さんから遅れている令和5年度決算について説明がありました。


中谷さんからローズの製作について紹介がありました。
今回は滑車です。
最初にデッドアイ=三目滑車の自作方法について説明がありました。

写真はペアウッドを丸材に加工しているところです。


ペアウッドは板材から角材を切り出しそれを旋盤で丸材にしています。


L字金具に2.5mmの穴をドリルであけて、角材を直径2.5mmの丸棒に加工します。

この丸材をデッドアイの厚さに均等に切り出すための治具です。


これで傷をつけて厚さの目印とします。

綺麗に印をつけるためには、棒材が楕円でなく正確な円になっていることが必須となります。

ルーターで滑車の溝を掘ります。

慎重に作業をします。

旋盤に加えた円柱のブレると作業になりません。

円柱材とチャックを十分に擦り合わせて装着する必要があります。

溝がきれいに掘れるたら
先ほど付けた印にそってのこぎりで切り出します。
簡単に書きましたが、実際にやってみると結構難しいです。
最初の加工で真円度の良い丸棒に加工できないと、うまく溝を掘ったり、厚さの印を全周に刻んだりできません。
結構真円に加工するのは骨です。

デッドアイはシュラウドに使う滑車です。

3つの穴の位置決めが大変です。

デッドアイの名前がこの三つの穴が両目と鼻か口=骸骨に見えることからなずけられたそうです。

この3つの穴がが歪んでしまうと見栄えが悪くなります。
3本のピンを3か所穴をあけた筒に差し込んで、位置決めをします。
3つの穴をあける場所の位置決めができたら、ドリススタンドで穴をあけます。
ルーターで手持ちで穴をあけてはいけません。
綺麗に穴があけれられません。

次に滑車の加工です。
サーキュラーソーを使って効率的に加工します。
シングル滑車もダブル滑車もこの治具を使って溝堀加工が簡単にできます。


溝が掘れたら、滑車の穴をフライス盤であけます。


2か所あけます。必ず面取りして通すロープがきれいに馴染むようにします。
ピンセットや刺抜きで滑車を保持する方法がありますが、穴に銅線を通す方法もあります。
結構しっかり保持できるのと、床に落とした場合も見つけやすくなります。

マウスの加工治具の紹介がありました。

綺麗な仕上がりになりますが、その分手間もかかります。

焦らず急がずじっくり作業をします。

ロープを自分で撚ります。
自分で撚る理由はS撚りが欲しいのと撚り目をクッキリさせるためです。
S撚り、Z撚りの話やマウスの加工治具についても解説がありました。
The Rigging Of Ships RCAndersonP94
シュラウドは右舷、左舷でZ撚りとS撚りを使い分けると記述があります。
S撚りだとデッドアイを右巻きに、Z撚りだと左巻きと記載してありますが、他の文献と逆になっています???
白井先生の帆船模型製作技法P164にはS撚りの場合左巻き、Z撚りの場合右巻きと逆の解説になっています???
洋書で有名なHistpricalShipModelsP283にもS撚りが左巻き、Z撚りが右巻きです。
AncreのModeles Historiquesの写真をみると右舷がZ撚りで右巻き、左舷がS撚り左巻きです
Mast and Rigging English Ships Of WarのP42もS撚りが左巻き、Z撚りが右巻きです。
オランダの海事博物館のPrinsWIllemをみると右舷はZ撚りで右巻き左舷の写真はありません。
ミシン糸はZ撚りですからこれを3本撚りするとS撚りの太い索となりますので、ステイやシュラウドはS撚りの方が都合がいいです。
Z撚りで仕上げるには手縫い糸などのS撚りを3本撚るか、1段階細いZ撚りの糸で初めてS撚りZ撚りに仕上げるしかありませんので結構大変です。
中谷さんは、仕上げは木工ボンドを浸透させるのではなく炎であぶられたそうです。


これは高等技です。筆者は蜜蝋で仕上げています。


次は、金岡さんの1/48ジーベック:ルカンの帆の加工です。
ジーベックxebecというのは16世紀~19世紀主に地中海で交易目的に使用されたラテーンセイル(三角帆)の3本マストのオールも備えた船種で、フランス海軍やフランスやポルトガルの商船としても使われました。20~40門の砲を備え喫水は浅く3m積載量は約300tあったそうです。

ルカンとはLeRequinフランス語でサメのことです。
この模型はフランスのパリのショイヤー宮殿にある海事博物館に所蔵されている模型を参考にしています。Dicjtionary of ship types P230

1/48の大型模型で構造模型のキットでありながらセールが付くという珍しいキットです。
付属のセールは使わずに自作します。

Ancreの本の図面から紙で型を起こします。
細部を修正します。

ミシンは、大阪市生野区のアックスヤマザキの「子育てにちょうどいいミシン」を使います。本箱に入る超コンパクトサイズでお手頃感抜群のミシンです。

90番の細い糸を鉛筆の線にあわせて縫っていきます。

縁の折り返しは、手芸用のテープを活用します。

アイロン接着両面テープという商品名で大変便利です。

セールへのボルトロープの縫い付けは、ボルトロープの撚り目で縫い付けることはせずにセール側に2mm間隔で穴をあけて縫い付けています。

両面テープがあるので、そのままでは針は通りませんのでピンバイスで穴をあけます。

数が数だけに大変だったそうです。

リーフバンドの縫い付けにはちょっとした治具を作られています。

先ほどの両面テープを上手く利用して段差ができないように工夫されています。

リーフバンドの縫い付けにはちょっとした治具を作られています。

リーフポイントの取り付けも工夫がされています。
一般的なやり方では綺麗にできません。

綺麗に出来上がった作品です

まだまだお話が沢山あるのですが、今回はここまでです。

9月の例会をお楽しみに(^o^)/

8月の例会の御案内

猛暑が続いています。また南海トラフ地震の発生に注意を促すよう連日の広報に
余計暑さが増すようです。皆様お元気ですか。
 作品展も無事終え、初めての会場でしたが評価はいかがでしょうか?
地下街を通っての会場は暑さ対策にはよかったものの、初めての方には
地下街特有のアクセスのわかりずらさがあったかもしれません。
 そのあたりは作品展の報告の中でまた聞かせていただけたらと思います。
さて、その例会です。そろそろ秋の気配がとも思いますがまだまだのようです。
運動不足の解消も狙って暑さ対策を十分に、ふるって参加ください。
テーマ等は下記のとおりです。

日 時 :令和6年8月25日(日) 13:30~16:30
 場 所 :大阪駅前第2ビル5F 第6研修室
 テーマ 
1ローズのリギング   中谷会員
2ルカンのセール    金岡事務局長
3作品展について    事務局
423年度収支決算報告  会計係
5その他        事務局

第46回木製帆船模型展

7月5日(金)10時開催~7日(日)まで大阪駅前第二ビルで開催しましたところ沢山の皆様にお越し頂き厚くお礼申し上げます。

作品についての質問や入会の御質問は御遠慮なくメニューの一番右の【ご質問】のページからメール下さい。お待ちしております。

直接メール頂いても結構です。theropeosaka@gmail.com

打ち上げの会も東京のザ・ロープの会の会長様他の皆様にもご参加いただき大いに盛り上がりました。 ありがとうございました。(^O^)/

6月の例会の御案内

ザ ロープ オーサカ会員各位          R6年6月17日

                     ザ ロープ オーサカ運営委員会

 本来ならとっくに梅雨入りをして、日々のじめっとした気候に不満を持て余している
時期ですのに、今年はどうなっているのでしょうか?ツユなし担々麺は聞いたことが
ありますが・・・。冗談はさておき、6月、展示会前の最後の例会です。
 今回展示会の会場が変更になったことにつき,従前とは違った準備、対応になろうかと
思います。会員全員参加で対応願います。詳しくは例会にて説明します。で、今回の
例会の案内です。上記のことを踏まえ、重要事項ですので全員の参加をお願いします。

日 時:6月23日(日) 13:30〜
 場 所:大阪駅前第2ビル 5階 第5研修室
  テーマ:               テーマ
  1,展示会の作品展示準備及び終了時の片づけについて
  2、役割分担の担当者決め 受付、時間外の居残り要員
  3,総会の持越し事項の報告 (会計報告、役員交代、新役員紹介)
  4,沖会員の書籍、道工具類の抽選
  5、その他
  以上

4月の例会の様子

連休のど真ん中ですが
本日は15名の参加です。

最初に事務局長から挨拶がありました。
今年の作品展は場所と時期が変更になっています。
7月5,6,7日です。ご注意ください。

スカイタワーではなく大阪駅前第2ビルの5階 生涯学習センター ギャラリーBです。

大石会長からモデルシップウエイ社のエマCベリーの製作の紹介です。


1/32の高さ72cm長さ67cmの19世紀のスループ型の漁船です。
魚やロブスターを生きたまま運搬できるように船内に生け簀があり、船底に海水の出入り用の穴があいています。
復元されており、ホームページもあります。
EMMA C BERRY:NOANK SMACK
1866年に建造され、1886年に改装され、1916年にガソリンエンジンを追加1924年に引退
1931年に復元され、1994年にNatinalHistoric Landmarkに指定されています。
米国 コネチカット州のミスティック・シーポート博物館に展示されています。
Model Ship Worldにも記事が上がっています。

マイクロクラフトで入手できます。お手頃価格です。


レザーカットされています。
フレームモデルですので、構造模型のように、キールにフレームを何本も立てていきますので高難易度なキットです。


綺麗にレザーカットされていますが、材が脆いので、慎重にカットしないと欠けます。


ホワイトメタルのフィッティングは、結構良いできです。


索は綿ではなくナイロンだそうです。

索の太さは静索、動索とも10種類近くは欲しいところです。


滑車は単なる直方体です。

角を成形して丸くする作業が必要です。


デッドアイは、きれいなものがついています。


治具がキットについており、造船所で実際に建造するように組み上げていきます。

門型のクレーンのような治具が左右のレールに沿って移動します。

これでフレームが歪まずに並行に位置決めできます。

レザーカットの寸法精度が甘いので、フレームに1mm弱の段違いが生じています。


修正が必要です。

この辺を適当にすると船体が歪んでしまうので、丁寧に作業します。


材が脆いので、注意しないと欠けるそうです。

本当に脆い材です。


治具の製作は慎重に正確に組み上げます。


治具を使ってキールを組み上げます。

キールへのフレームの組付けは、ハロルド・ハンの方法ではなく


クレーンのような治具を作成し、これを使って正確にフレームを据えていきます。
この治具は船台に設置されたレールの上を滑って移動します。
そのため各フレームがズレることなく平行に組みあがります。
実際には、フレームに補助材を仮付けして歪まないようにしてキールに据えていきます。

3軸(ロール、ピッチ、ヨー、横、縦、片)とも歪まないようにします。
ロール:横方向に歪まないようにフレームの傾きを調整しながら、
治具にしっかり固定することで、ヨー方向に傾かないようにします。


フレームに補助材が付いた状態で綺麗に並んでいます。


キールとの間にも補助材を入れフレームの土台をしっかり固定するとともに
キールから垂直に伸びる材を使って、フレーム外側に材で固定しヨー方向にズレないようにしています。


船首付近はフレームも小さく大変です。


今回はここまでです。また続報をお楽しみに(^O^)/



次に五十嵐会員の「私の道具箱Part2」です

昨年の5月の例会でPart1として3Dプリンターや3DCAD、金属旋盤などの紹介がありました。


今回も、もっとポピュラーな道具の紹介です。
スクラッチビルド専門ですから製材の道具が必要です。
バンドソーは分厚い材でも加工でき安全で便利です。
木材だけでなく、アルミでもサクサク切れます。
しかし欠点があります。
材送りがゆっくりしか送れませんので切断に何分もかかります。
また5mm幅の鋸を使っても真っすぐ切るには治具が必要です。
また切断面は縦縞が入りますので、面取加工が必要です。

この点サーキュラーソーは大変速くあっと言う間に一直線に綺麗な切断面で切れます。
もちろん木材だけで金属は切ってはダメです。
いいことずくめですが、大変危険です。
キックと巻き込みです。
キックとは材が跳ねて当たったら家具などは大きく傷がつき家族に恨まれますし
自分に当たっても痣ではすみません。
五十嵐会員も一度大けがをしています。
基本的に事故は時間の問題と深刻にとらえて、毎回緊張感をもって作業しないと本当に大事故につながります。

ここで、中島会員から安全装置について説明がありました。
中島会員は自作のサーキュラーソーを使われているので安全装置も工夫されており
大変良いアイデアで参考になります。
あと彫刻などに便利な実体顕微鏡の紹介がありました。


 かの有名なLloyd McCafferyさんも精密な彫刻に実体顕微鏡を勧めておられます。
氏のミニチュア彫刻のYOUTUBEもぜひご覧ください。感激します。
Sentinel of sea_Lloyd McCaffery Lecture_2022

Lloyd McCaffery(b. 1949)ホームページ

双眼であることが重要で、しっかり立体感を掌握できることが重要です。
顕微鏡を見ながら作業をしますので、対物レンズから材までの距離が短いと作業ができません。
この機種は20cm以上距離がとれるので、顕微鏡を見ながらルーターを使って作業ができます。
倍率は10倍で十分です。照明は必須です。
今回はここまでです。
次回をお楽しみに(^O^)/

4月の例会の御案内

ゴールデンウイークを控え、桜から木々の新緑へと、一年中で一番気持ちのいい
季節かもしれませんね。行楽に旅行にと様々計画もあるでしょうが、ドックに入っている帆船の製作にも最適の期間です。ピッチを上げて作品展を目指しましょう。
 さて4月の例会の案内です。今回はテーマは少ないですがその分内容の濃いものとなっています。
質疑応答の時間も十分ありますのでご期待ください・
皆様の元気な姿を見ることを楽しみにしています。
以下ご案内申し上げます。
日 時:4月28日(日) 13:30〜
 場 所:大阪駅前第2ビル 5階 第5研修室
 テーマ:               
     モデルシップウェイ社 『エマ・C・ベリー』について  大石会長
     「私の工具箱」                     五十嵐会員
      その他

5階フロアー図

2月の例会の御案内

正月早々地震が能登地方を襲い、数々の悲報がもたらされています。
復興の進みもままならぬ中、被災地の皆様方には心よりお悔やみ申し上げます。
さて我々の例会も新しい年を迎えました。新年会でも決意新たに制作への意欲を
盛り上げたことでした。というわけで2月の例会が近づいてまいりました。
今回も前年度の続きで“外板張り”その他を予定しています。ベテランによる
経験を踏まえた講演はきっと皆さまにも参考になる点が多々あると思われます。
ぜひ多数参加ください。
皆様の元気な姿を見ることを楽しみにしています。
以下ご案内申し上げます。

日 時:2月25日(日) 13:30〜
場 所:大阪駅前第2ビル 5階 第5研修室
テーマ:
外板張りについてその2 早川会員                 
ルカンの製作 その2 金岡会員
その他

5階フロアー図

9月例会の延期とオンライン例会実施のお知らせ

日程変更:9月12日→9月25日
ZOOMによるオンライン開催とします。

月例会の延期とオンライン例会実施のお知らせ

 9月は12日に例会を予定していましたが、一向にコロナの状況が好転しません。また見通しについても不確定な要素ばかりです。
そこで初の試みとしてzoomによるオンライン例会を開催しようと計画しています。
皆が集まっての例会でなくオンラインであれば、コロナの心配もありません。
東京や京都でも既に実施しています。
パソコンの設定やその他は、決定次第お知らせします。
例会実施の日程は  9月25日(土) 13:30~16:30
で準備を進めています。
懐かしい顔がモニターを通じて見れるのを楽しみにしています。
また、パソコン環境が整わない会員の方が若干名いらっしゃいます。
その方達にも様子がわかるようにしたいと考えています。

5月例会の中止のお知らせ

大阪では緊急事態宣言が月末まで延長されています。残念ながら5月23日に予定していました例会は中止です。

大阪では緊急事態宣言が発令中であります。これに伴って生涯学習センター5月12日(水)から5月31日(月)までの間、臨時休館の期間を延長となってしまいました。
このことから、まことに残念ながら5月23日に開催予定の例会は中止せざるを得ない状況となっていました。よろしくお願いします。