10月の例会の様子

遅くなりました。

10月の例会の様子を御報告します。

今回は17名の参加でした。

今回は、金岡会員の電動糸より機と

中屋会員のHMS ROSEです。

 

最初に事務局長からの事務連絡がありました。

 

 

 


最初は金岡会員から電動糸撚り機の発表です。
部品リストです。
大変廉価に組まれています。

 

太いロープが必要な場合やS撚り、Z撚りにこだわる場合に糸撚が必要です。
電動でやるとが早く楽に作業ができます。
手動のオリムパス製絲 ストリング-II 高速式回転ひもより器がおなじみと思います。
今回は、電動です。また横型ではなく故白井先生が紹介されている縦型です。
縦型は洋書によく紹介されている横型と異なり、下撚りから上撚りへの切り替えが自動でなされます。

 

下撚りをかけていくと、1割ほど縮み、それから重りが自転し始めます。この重りの自転が上撚りで下撚りよりの時よりかなり早い回転で回ります。また、この時に分離機が自転しないように押さえる必要があります。

分離機は自動的に上に移動していきますが、
注意しないと分離機自体が自転し分離機の上に撚りがかかるとダメになります。

重りが回転を始めたら分離機をしっかりと回らないように支えてやる必要があります。

金岡会員からは、重りの自転がはじまったら、モーターを止めた方が撚りが綺麗になると紹介がありました。

 

 

 

 

 

さて製作について紹介がありました。
設計図を起こされるのは、さすが金岡会員で見事な図面を書かれています。
ギヤ比9.5ですので、撚り回転数は600rpmとチョット速めです。
駆動部分はタミヤの工作セットのミニモーター標準ギヤボックス (8速タイプ)を活用されています。
ミニモーター標準ギヤボックス (8速)
蛇足ですがシングルギヤボックス(4速タイプ)の方が200円安いです。大変リーズナブルで入手も簡単です。糸撚機を自作する場合、歯車の入手が大変です。しかも高く1つ200円くらい軽くします。
ところが、タミヤの工作セットのギヤセットはなんと歯車が5つも入って320円と大変リーズナブルです。
また、糸3本を撚るのですが、糸をかけるところがO型アンカーとするところですが、金岡会員はここでも一工夫されています。
ささめ針(SASAME) P-234 道具屋 一発ハリス止
というワンタッチで糸が挟めます。

苦労して結ぶ必要がありません。
これは大変たすかります。

組み上げた状態です。
ここでもさすが金岡会員、シャフトと歯車の間に心棒を通して滑らない様にされています。
本当にキッチリと工作されています。

実演もされました。
皆さん興味津々です。
実演では撚り時間が40秒ほどでしたので
甘撚りでした。

糸の撚りについ少々解説します。
撚数ですが糸が太くなると少なくなり、細くなると多くなります。
そのため撚り係数=撚り回数/ルート(番手)という
単位を使います。/mと/インチの2種類があるのですが、自明なので、/mと/インチは省略されることが多いです。
ポリエステル、綿糸、皮革加工でつかう麻など種類によって撚り具合は大きく異なります。
綿糸の場合は撚係数:通常3.5〜4.2回/インチ 138〜165回/mと言われています。

強撚  撚係数が5回/インチ~、
甘撚  撚係数3.6回/インチ
超甘撚 撚係数3回/インチ以下
糸の太さと比較すると
撚係数3.5〜4.2回/インチ
8番 754回 902回
20番 616回 737回
30番 389回 465回
撚りが甘ければ撚り目が垂直に近く、強くなると撚り目が水平方向に傾きます。
上撚り(うわより)とは、単糸を撚り合わせて1本の糸(双糸や三子糸)にする場合の撚りのことを指すもので、単糸にかかっている撚りは下撚りとされる。
上撚りは単糸の撚り(下撚り)とは逆方向によりをかけます。
撚り数は下撚りの約80%程度です。


次は中谷会員のhmsRose 1706です。
中谷会員はスケールは1/72と決めておられるようです。
今回の作品は、National Maritime Museum 国立海洋博物館にある
1/48の構造模型の模型です。
最初にこのHMS Roseという船ですが
中谷会員は良くNational Maritime Museum 国立海洋博物館のcollectionから写真や図面を入手されています。
この船もネットから素晴らしい写真がとれます。
このドッグヤードモデルはチャタム造船所の船大工長だったベンジャミン・ローズウェルの作品と説明されています。
HMS Rose 1706
Rose(1706); Warship; Sixth rate; Sloop; 20 guns
Scale: 1:48.

では実船はどんな船だったのか?これが今ひとつ分からない。

 

 

 

 

British Warships in the Age of Sail 1603–1714を見ても該当する船がない!!

 

 

 

 

 

文献を調べてみると
Navy Board ship modelsという構造模型の本を見ると160頁に載っています。
記述を抜粋すると

「この船は1712年チャタム造船所で進水した24門6級スループ艦と一応特定されている」

 

 

1712年のローズですが、
1710~1712年に造船されたジブラルタル級20門艦の8番艦、94フィート、273tと小型艦です。

建造費£2093だったようです。

大きさも価格もバウンティー号とほぼ同じです。

中谷会員の独特の製作方法で、左右別々に組み上げていきます。

こうすると通常のハロルドーハンの製作方法よりも、加工に精度が求められます。

各フレームのフトックは左右でピタッと一致しなければなりません。

また、ハロルドーハンの方法だとフレームの位置は固定されますが、この場合フレームの位置をどうやって決めているのか?
フレームは数が多いので0.1mmずれただけでも40フレームもあれば4mmもズレるわけですから。
図面通りにピッタと作る。
この辺の巧みの技にはただただ尊敬の念しかありません。

左右別々に砲門を開けます。
この時は、左右別々の方が楽なような気もします。
更にウエルを付けていきます。

 

 

 

左右を合体させます。
フロアーを付けていきます。
メインマストの足下にある箱形のものはショットロッカー弾薬庫とランプ室です。

電灯のない時代に火気厳禁な弾薬庫の明かりは隣りの部屋の明かり(ロウソク)で照明をしていました。
メインデッキの加工です。

ビーム(梁)レッジ(横材)カーリング(縦材)を付けます。
レッジとカーリングが組木になっているのが英国艦の特徴です。
あとひとつ、ハンギング・ニーだけでなくロッジング・ニー(水平方向のL材)も英国艦の特徴です。

当たり前のようにカーリング(縦材)がまっすぐに出来ています。
しかし、これは短いカーリング(縦材)とビーム(梁)が組木になっているので、ガタガタにならずまっすぐに仕上げるのは大変です。

船尾のチェックの床面は英国艦の特徴で、これを組子細工でされているので、ただただ感心です。

船尾の彫刻は柘植を掘っておられます。
彫刻する場合は、やはり柘植が一番です。
カステロやアマレロなどの代用柘植とは出来映えが違います。
ただ、柘植は入手難で高価です。

 

一部甲板を張って、大砲を置いていきます。

縮尺が1/72なので、大砲も小さいので加工が大変です。

 

 

砲架を治具を使って正確に加工されています。

段々を削るのに、ちょっと変わった方法で加工されています。

 

 

先端ビットで削るのでは無く鋸を入れて段々加工されています。

穴開けも、型を作って正確にあけておられます。
凄いですねぇ~

 

 

 

まだまだ話は続くのですが、今回はココまでです
次回をお楽しみに(^^)/

10月の例会の御案内

10月22日(日)13:30〜
大阪駅前第2ビル 5階 第4研修室

漸くさわやかな風が通り抜け気持ちの良い季節となりました。
作品展から3か月、新しい作品制作に向けてエンジンがかかり順調に
作業が進んでいることと思います
さて10月の例会の案内です。今回作品展の写真集も上がってきましたので有料
配布の段取りをしております。加えて、45周年の記念品も配布いたします。
日 時:10月22日(日)13:30〜
場 所:大阪駅前第2ビル 5階 第4研修室
テーマ:
外板張りについて(模型教室を通して)   西川会員
電動ロープ撚り器の製作         金岡会員
『 ローズの製作 』             中谷会員

 

5階フロアー図

 

 

 

 

 

第4研修室

 

 

 

 

 

 

9月の例会の様子

9月の例会の様子です。
今回もワイワイと楽しい例会でした。
今回は17名の参加でした。

 

最初に事務局長から事務連絡と記念品の配布等がありました。

最初は三木会員の私の道具箱です。
2月の例会で紹介のあったオスマン帝国の沿岸交易船の第2弾です。

資料の少ないオスマン帝国の商船です。

が、三木会員から様々なHPの紹介など情報ソースの紹介がありました。

各ホームページについて大変詳しい解説がありました。

御興味のあるかたは参考にされたらどうでしょうか。

リギングに使うヤードやマストです。

意外にアッサリしています。

ここらからリギングを始めていきます。

 

メインマストをたててシュラウドをはりラットラインを付けてい行きます。

ここで独自の治具が活躍します。

ラットラインの間隔と角度が正確にできる治具です。

セイルについては、帆を膨らませるために一工夫されています。

帆の膨らみをフラワーアート用の紙巻ワイヤーの#30 0.45mmを活用されています。AMAZONで簡単に廉価で入手できます。

ピアノ線といえばモデルカスカンの1/700の艦船模型用のアンテナ線「メタルリギング0.3号 0.1mm」もあります。

船員さんも針金とエポキシパテで自作されています。

実際に作ってみるとチョット大きめの人になったそうです。

 

船台に海を表現されています。

ジオラマ製作のテクニックでレジンを使って波を表現されています。

 

旗についても詳しく調べておられ解説がありました。

 

 

 

また、旗をつくるのに一工夫。

アイロンプリントペーパーを活用されています。

 

 

他にも道具の紹介がありました。

自作のトースカン。

自作のレーザー:綺麗に十字をあてています。

 

小型の押切の紹介がありました。
アマティからもでていますし、簡単に自作できます。

 

造船所の紹介がありました。
ベテランの方の作業場は、道具が機能的に配置され、整理整頓清潔清掃と基本厳密に守られ見ていて気持ちがいいです。

 

 


太田会員のサラマンダーです。

ボム・ケッチと呼ばれる巨大な臼砲を据えた攻城船です。

 

 

1687年に英国のチャタム造船所で作られた、キール長20m弱の134tと小型の船です。

 

 

35人乗りで臼砲を並列に2門設置しています。

自衛用にミニオン8門とファルコン2門を船尾側に備えていますが、実際は支援船が守りをホローしました。

というのも、ボムケッチは臼砲の発射の邪魔になるためフォアマストを撤去しています。

従って、操作性のは非常に悪かったようです。
サラマンダーの臼砲は12インチ砲です。口径12インチ=30cmと巨大で砲弾は75kgもありました。サラマンダー単独で行動することはなく必ず支援船が弾薬等を補給していました。
砲身は2口径もない大変短いものです。臼砲の砲弾はこの時代では珍しく炸裂弾です。これで城を攻め落としました。

ボムケッチは元々大砲大国のフランスで発明されました。
陸軍が攻城用に使っていた臼砲を船に乗せたわけです。
1681年にルイ14世の時代にChevalie Renaudシュヴァリエ・ルノー
が発明したと言われています。ラ・フードロヤントLa Foudroyante’クラス(Foudroyante、Bombarde) です。21m120t40名乗船

臼砲ですが、衝撃がものすごく砲耳では支えきれないので大砲と砲台が一体で鋳造されています。
仰角は45度固定で射距離は火薬の量で調整していました。最大で20kg近い推進薬を使っています。
砲の断面を見ると分かりますが、下側の小さい穴に炸薬を入れ、大きな弾丸をその上に置きますが一寸変わったことをします。
炸薬の上に藁を置き、弾丸の間を粘土を詰めています。
推進薬の火が炸裂弾に回らないようにしています。
炸裂弾には当然信管が着きますが、この当時の信管は一種の導火線です。
木製で長さが25cmあり、最長40秒目盛りが刻まれ、カットして調整します。
4000mの飛距離の時31秒要したのでこれらを目安にします。
着火方法にはダブル着火といって、何と推進薬と砲弾に別々に火を付けます。
ですから、炸裂弾は正確には球形ではなく、信管が上になるように、とってが着いている砲弾もあります。
向きを確認しながら75kgの砲弾を装填しました。
タイミングをあせて砲弾の信管に着火と当時に発射薬に着火します。
今から考えると意味不明な作業ですが、流石に、後期になるとこれは不要と気づき、炸薬と砲弾の間の粘度は省略され、シングル着火になります。

臼砲の口径ですが、フランスでは12インチ、英国では10インチと13インチが多く使われました。
100kg近い重たい砲弾ですが、この砲手は4~6人と意外に少人数です。
発射の衝撃は大変なものがありますから、構造は大変丈夫に作られていました。
フランスと英国では何故か構造が異なります。

 

出典
NAVAL ARTILLERY French navy 1650-1850
The Age of Evolution, 1523-1715 (v. 1) (History of English Sea Ordnance)
余談ですが、今28万の法外な値段になってますが、私は数千円で入手しました。念のため・・・・

まだまだ話は続きますが、今回はココまでです。
次回をお楽しみに(^^)/

福島帆船同好会 第30回木製帆船模型展

福島帆船同好会 第30回木製帆船模型展
会期:2023年 10月 23日 (月)~29日 (日)
9:30~18:00 ※10/24(火)は休館
会場:こむこむ1階にぎわい広場
福島市早稲町 1-1
入場無料
主催:福島帆船同好会 協力:福島市子どもの夢を育む施設こむこむ
後援:福島市教育委員会 SEKIYA

神戸帆船模型の会の作品展に行ってきました!

神戸帆船模型の会の作品展に行ってきました。
場所はいつもの「こうべまちづくり会館」阪急電車の花隈駅から道路を渡ってすぐのところです。

目立つところに看板がありました。

 

 

 

おどろいたことに中に入ってみると大きなディスプレイに展示場の様子が写っていました。

大迫力でビックリです。

会場は1Fではなく地下です。

早速階段をおります。

 

 

階段の途中の展示スペースに早速展示されています。

 

 

 

 

 

会場は広々していて気持ちがいいです。

 

 

 

 

旗も掲げられていました。

いつも見る旗は青バックですがこれは赤バックです。

奥には帆船模型の製作の様子を詳細に解説したコーナーもあります。

 

 

順を追ってフレーム組、フィラー充填、外板張り、艤装、リギングまでステップバイステップで解説されています。

これ準備が大変だったと思います。10数船を作っているのとおなじですから。

 

それでは入口から作品をみていきましょう!!

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな展示もありました。

 

 

 

是非皆さんも足を運びましょう

9月26日(火)16時まで開催しています(^O^)/

 

9月の例会の御案内

日 時:9月24日(日) 13:30〜
場 所:大阪駅前第2ビル 6階 第2研修室

秋の気配が感じられてもいい季節なのに一向にその兆しが見えません。
と、まぁ先月に続いて暑さにかかる挨拶で始まる例会の案内を差し上げることになりました。
今月の例会の案内は下記のとおりです。まだまだ暑さ対策が必要ですが
万全の対策の上参加くださるよう案内申し上げます。
皆様の元気な姿を見ることを楽しみにしています。

日 時:9月24日(日) 13:30〜
場 所:大阪駅前第2ビル 6階 第2研修室
テーマ:『 完成報告と私の工具箱 』       三木会員
『 サラマンダーの製作について 』    太田会員
『グレーテルについて』        大槻会員

以上です。ではお会いできるのを楽しみにしています。

6階フロアー図

神戸帆船模型の会 第40回木製帆船模型作品展

2023年9月21日(木)13:00~26日(火)16:00
会場:こうべまちづくり会館 地下1階ギャラリー

日時:2023年9月21日(木)13:00~26日(火)16:00
時間:10時~17時
会場:こうべまちづくり会館 地下1階ギャラリー

 

 

 


8月の例会の様子

8月の例会の様子です。

17名の参加でした。

今回もベテラン会員によるノウハウの連続です。

 


事務局から作品展の結果報告がありました。
猛暑で熱中症アラートの中、大変沢山の方々に来て頂きありがとうございました。
ただ、「このページを見て来た」方が数人だったそうです。(>_<)
ページの閲覧数はそこそこの数字を出しているので???です。(+o+)
来年は必ず「このページを見て来た」と記帳してくださいね(^O^)/
本当に皆様ありがとうございました。

今回は、45周年記念の記念品の配布がありました。

直径3mmのピンバイスでつかう平刀です。

幅1mmから3mmまで5種類入っています。

切れ味抜群だそうです。

 

 

 


本題の始まりです。
最初は中島会員のシップヤード社(1985年にポーランドで設立されたメーカー)

のペーパーモデル 1/72の18世紀の英国のスループ艦です。
キットはマイクロクラフトで扱っています。

HMSウルフは1752年に作られたスノウ・リギングと呼ばれる2本マスト艤装のスループ艦:Cuizer級(別名140t スループ)の4番艦です。チャタム造船所で建造されてます。ロイヤルキャロラインに似た船と言われています。
排水量141t進水は1754年5月 3ポンド砲8門 スイベル(旋回砲)10門 1781年に売却
出典:Sailing Navy list P92    Sloop of War P213

ペーパーモデルは日本では珍しいと思います。
オランダ船ではとてもポピュラーです。オランダ船研究の第一人者 AB-Hoving氏(アムステルダム国立美術館の修復部門の責任者:2012年に引退)の1/77のペーパークラフトが有名です。
息子の Emiel Hovingがフォトショップでペーパーモデルと背景を合成した素晴らしい写真がホームページで紹介されています
右の写真もホームページにある写真です。
Hovingはホームページでペーパーモデルは木製帆船模型用に比べ廉価で早く(400時間)でき、木粉飛散もないと説明しています。

中島さんからは、接着剤の費用だけでも馬鹿にならず、とにかく手間がかかると説明がありました。

このキットを紹介しているホームページがあります。
塗料までセットされているようです。
作成手順も紹介したホームページがあります。
ペーパーモデルは木製帆船模型と製作方法に大きな違いがあります。
外板は、2重張りなのですがちょっと違います。
フレームを切り取って、キール組み上げるところまでは木製と同じですが
ここでフィラー(充塡材)を入れるところですが、
ペーパモデルでは1mm厚の紙を縦張りするようです。
左右で重ならないように注意深く貼るようです。
それをサンディングして形を成形してから
印刷された外板の紙を正確にカットして貼っていくようです。
木と異なりA曲げは簡単ですが、B曲げが全くできません。
したがって、キットの線を信じて正確にカットする必要があり苦労するようです。Hovingのホームページでも作成手順を詳細に説明しています。

NAUTICAL RESEARCH JOURNAL Vol. 61, No 3 FALL 2016にも特集記事があります。なぜかネットにアップされています。いちおう紹介しますね。(+o+)

とにかくハサミとカッター作業が多く、良く切れるものを用意しないと大変だと説明がありました。
グレーチングは大変綺麗に出来たと説明されていました。

 

甲板は4ブットが正確に再現されており、このキットの売りのひとつだそうです。

この舵輪も紙です。キャプスタンも紙を重ねてつくっているそうです。

コンパスを入れる箱にロウソクの空気抜きの穴まで再現されています。

実に凝っています。

 

こちらは、別途製作中のビクトリーです。

船尾の窓枠が連なる部分ですが、このまどをひとつひとつナイフで切り抜いていくそうです。

気が遠くなる作業です。

また、紙は切り口が木と異なり綺麗ではないので、瞬間接着剤で固めて整形する必要があり、大変手間がかかるそうです。

次は大砲です。3ポンド砲が8門と舷側にスイベル:旋回砲が10門です。

大変綺麗な大砲でレベルが高いキットだと感心感心です。

 

 

 

Hovingのホームページには
大砲の作り方も詳細に紹介されています。

1/44 のスケールで 24 個の 18 ポンド砲の材料が表示しています。
バレルには160グラムの紙が使用。後部には薄い紙の補強を施し、銃口は銃身と同じ紙の細いストリップで作られ、銃の周りの装飾バンドの細いストリップは通常の 80 グラムの印刷用紙を使用
右上に見えている通り、砲尾は、様々なサイズの紙をパンチして得ています。

艤装関係も全て紙で加工されています。滑車も紙で加工されており、木工よりもかえって時間がかかるようです。
甲板などは、ドライブラシで仕上げるように説明書に書いてあるそうです。
塗料もキットについています。
ドライブラシとはプラモデルのウェザリング手法(汚し塗装)の一つです。
本来は飛行機や戦車の塗料の剥がれなど劣化を表現します。


木目塗装はプラモの世界では基本中の基本です。
AKinteractiveとVallejoとのホームページにも紹介記事があります。
帆船の甲板塗装の参考になると思います。
AKのはトラックの荷台の板を非常に使い込んだ感じで塗装しています。

エアブラシで一旦塗装してから、溶剤を浸した筆をつかって塗装をはがすことにより劣化を表現しています。

 

こちらは、樽の塗装で、最初に真っ黒なサフを吹き、薄いグレーをエアブラシで吹いて、3色の色で木の違いを表現。土色をチョコチョコと塗って木目を作ってWoodGrainで全体を整えます。

Vallejo:ファレホの塗料は京都のボークスで入手可能です。そんなに高くなく水性塗料で臭くないです。

 

 

他にも様々な木材の質感表現手法を解説した本もあります。樽、斧の柄、工具箱、荷車、木扉、木塀、ボート、木甲板他たくさんの塗装テクニックが紹介されています。
この本はAKinteractiveのRealisticWoodEffectの訳本です。16ドル70セントです。邦訳したものが2000円以下ですから一読の価値はあるかと・・・・

 

 

ペーパーモデルの完成が楽しみです。


次は田中会員の船2つです

田中さんは去年は巨大なヴィクトリー号を作品展で出典されていました。

今回は、有名なスクーナ艇とあまり誰も知らないカヌーの紹介がありました。

一つは四万十川のカヌーです。
もう一つは、有名なブルーノーズです。

 

 

 

 

 

カヌーは杉材とウォールナットで自作されています。

全て自作で製作されています。このカヌーはいわゆるダブル・エンディッド(船首と船尾に区別のない船型)です。

船首船尾も独特な曲線を描いており大変美しいしあがりですが、作業は大変だとおもいます。ベテランの技です。

次はブルーノーズです。

カナダ歴史上で最も有名なスクーナ船です。
1921年、William James Roué, が設計しました。

かなり大型の漁船兼レース艇です。
8隻もの小型漁船(2人乗り)が載ったそうです。

今作品ではうるさくなるので、スッキリと1隻のみ置いています。
インターナショナルフィッシャーマンズカップへ出廷した無敗のレース艇です。
対抗馬が有名なエルシーです。
1946年1月28日までバナナの輸送船として活躍しています。

 

今回はここまでです。(^O^)/

 

8月の例会のご案内

令和 5年8月27日(日)13:30~16:30
場所 大阪駅前第2ビル5階 生涯学習センター 第4研修室

猛暑が続き、連日熱中症アラートが発令されています。不要不急の外出を控えるよう叫ばれる中、今月8月の例会の案内です。体調と相談しながらよければ多数の参加を期待しています。内容も、45周年の記念品の配布など充実したものとなっています。
皆様の元気な姿を見ることを楽しみにしています。
以下ご案内申し上げます。
日 時:8月27日(日)13:30~
場 所:大阪駅前第2ビル 5階 第4研修室
テーマ:
作品展の報告 ・45周年記念品配布 事務局
『 HMSウルフ ペーパーモデル 』  中島会員
『 ブルーノーズ 』         田中一馬会員

5階フロアー図

 

 

 

 

 

第4研修室