5月の例会の様子

今回は17名の参加でした。

今回は定時総会が最初に開催されました。

 

大石会長から事業報告がありました。

 

 

 

次に会計報告・事業計画、予算について報告がありました。
提出された議案は全て承認され、無事総会を終了しました。

 

 

2023年度の第45回模型展作品展について打合せがありました。
梅田スカイビル・タワーイースト36階スカイルーム2
で開催されます。
今回は土曜日からではなく、7月16日(日)~7月18日(火)
最終日は平日ですので、早めに撤収することとなりました。

 

では、私の工具箱です。
今回は、五十嵐会員と内田会員からの発表です。

最初は、五十嵐会員の発表です。
最初に卓上小型旋盤の紹介がありました。
軸間150mmの非常に小さな卓上旋盤で値段も10万円を切る廉価です。
真鍮棒から大砲を加工するのが大変楽しい作業だそうです。
続いて無料の3D-CADソフトを2種紹介されました。
また3DーCADのモデリングは大変難しいので
無料のCGブレンダーを使った船体のモデリングとデータを
3D-CADにわたし任意の場所・角度で断面図が得られる実演がありました。
無料でここまでのCADやCGが使えるとは良い時代になったものです。

 

廉価な3Dプリンター Mars3の紹介もありました。
6月の今丁度セールをやっていて298で入手できます。
糸撚マシンについて海外の凄いマシンの紹介から手作りのマシンの紹介がありました。

先端ビットの紹介の後に、エアブラシの紹介がありました。
なつかしのオリンポスのピースコンの話や知る人ぞ知る長野県の北伸精機の紹介がありました。
最後に水性カラーで、スペイン製のファレホ(京都のボークスで入手容易)や廉価で使いやすいVICカラー(ヨドバシカメラで容易に入手できます)
の紹介がありました。

続いて内田会員からスコットランドのキットについて紹介がありました。

 

 

 


キールが曲がっていてどうしても修正できず、木材から削り出された話や、

 

 

 

キャビンについてキットではなく、自作でグレードアップしたり楽しい話が沢山ありました。

 

時間がなくなりましたので、今回はここまでです。
次回をお楽しみに(^^)/

4月の例会の様子

令和5年度最初の例会です。

コロナも終息に向かっています

今回は17名の参加でした。

(^o^)/


事務局からの連絡です。
○総会は5月の例会時に開催されます。
○第45回模型展は、7月16日(日)~7月18日(火)
の3日間 梅田スカイビル・タワーイースト36階スカイルーム2
で開催されます。いつもと日にちがズレていますのでご注意下さい。


では、私の工具箱です。
今回は、大石会長(その2)の電動工具の紹介です。

最初は、滑車の作業機械です。

滑車にロープをかけ細い索で縛るための機械です。

実物も持ち込まれ、みんな興味津々でみていました。

例会では2種類の治具について紹介がありました。

 

電動工具です。

最初の紹介は、ブロクソンのカンナです。

結構便利な道具だったのですが高価なせいか?

2017年に生産終了しています。

ミニディスクサンダーです。

これは大変便利な道具です。

必須ともいっていいものなのですが、2015年に生産終了しています。

 

大型のものは今の入手可能です。

フライスも紹介がありました。

以前からあるブロクソンの中では大型のフライス盤です。

何故か時々安売りをしています。

 

これにサンダーを付けて使っておられます。

作りがガッチリしているので、こういった使い方をしても不安がありません。

 

 

バンドソーの紹介もあり、メンテナンスの注意点の紹介がありました。

また、アクリル板をカットするための治具の紹介もありました。

 


懐かしい憧れの一品

ミニタのホビタエースの紹介がありました。

今は新型が出ています。Minimo ONE SERIES Ver.2

歯科技工・金型作成用先端工具メーカーのミニター株式会社が
提供する、ホビー向けの本格電動リューターセットです。
高精度のドリススタンドもあります。
非常に高価です。

 

 

 


おなじみのドレメルです。

ブロクソンより廉価でパワフルです。

がとにかくうるさい。

 

 

帆船模型に電動糸鋸は、大変便利で帆船模型作りに必須アイテムですが、嵩張り置き場所に困ります。

今回紹介するドレメルのモトソーは大変コンパクトに収納持ち運びができます。

かつパワフルな電動糸鋸です。
ドレメルのMOTO-SAW(万能糸のこ) (MS20-1/5 (100V))

amazonでも扱っています。


エアブラシ・コンプレッサーの紹介がありました。
かつてはオリンポスのピースコンが代表格でしたが今は、ビックリスルくらい廉価なものが多様多種でています。

数千円でエアブラシ+コンプレッサーが入手可能です。

紹介があったのはロングセラーで人気のあるクレオス L5です。

圧は0.1Mpaそこそこと低いのですが、リニア駆動フリーピストン方式で
静かで、作動時間に制限がありません。通常は15分とか30分ですが
この機種は長時間駆動しても圧が下がりません。
他にも紹介しきれないくらい秘蔵の道具の紹介がありましたが
次へ行きます。


金岡会員の1/48LE REQUIN(仏語で鮫)LE REQUIN – Xebec – 1750の製作です。

最初、ANCREの図面を入手されました。

ANCREはamazonで扱っていないので、直接フランスのANCREに発注する必要があります。

この図面、大変精緻なのですが、実はフリーハンドで描かれたものです。

CADで描かれたものでは、ありません。断面図、平面図、側面図がそれぞれ微妙にズレているそうです。
これは困ったということで、キットを探されました。

そうすると、構造模型で大変精緻なキットを見つけられました。

海外から直接購入されたそうです。

 

装飾類も見事です。

治具もいろいろついていて、至れり尽くせりです。

 

 

 

材もプレカットされています。

レーザーカットとCNCマシンによるカットを上手く使い分けているようです。

 

 

 

ハロルドハンの方式で構造模型を組みますが、その治具が、ついています。

 

 

 

 

 

 

合いも良く大変スムーズに作業が進んでいるそうです。

 

 

 

まだまだ続きますが、今回はここまでです(^^)/
次回をお楽しみに!!

3月の例会の様子

4年度最後の例会です。

今回は15名の参加でした。

(^o^)/


私の工具箱
ベテランの方の愛用のツールの紹介です。

最初は、中谷会員からの紹介です。

ブロクソンの旧型のドリススタンドです。

 

 

先端工具です。凄いですね

カッター、フェルト、ヤスリ、ダイヤモンド、等いろいろな先端工具が所狭しとならんでいます。

 

おなじみのブロクソンのスーパーサーキュラーソーです。

刃の高さと角度が変えられ大変便利です。

ノコ刃直径85mmの12山 アサリ幅1.6mm

直径50mmのチップソー 細目、荒目です。

 

プロクソンのボール盤に自家製の治具をとりつけています。

 

 

 

サンディングで面取しているところです。

 

 

 

サンフレックスのドラムサンダーです6mm軸で直径は45mmもあります。
#120です。

 

 

 

 


デッドアイの3つの穴の位置決めの為の治具です。

デッドアイの3つの穴を綺麗にあけるのは大変です。

この治具を使うと簡単に位置決めができます。

 

デッドアイの厚さを決める治具です。

一定の厚さで大量生産できます。

 

 


ハズキルーペではありませんが、各種のルーペです。

 

 

 


工具の一覧です。
ノコギリ、イタリア製の外板曲げコテ、サンディング、カンナ、ニッパー、糸より機、曲線定規、等々

 

 

 

 


2D-CADで船体設計をされている様子です。

綺麗な作図です。ここまで精密な図面は中々かけるものではありません。

このCADはフリーCADの
定番のJW-CADです。現在も更新されています。


3D-CADだと登録不要のFreeCAD有名なフュージョン360
が定番です。

ただ、3D-CADでモデリングするのは大変骨がおれるます。

部品一つ動かすのも中々意のままになりません。

最初に置いた場所が後々まで影響します。

CGでモデリングしてObj形式ファイルを出力して
フュージョン360で読み込んで、更にメッシュデータをソリッドに変換して
図面を印刷した方が楽だと思います。
CGはBlender一択です。

その位 モノづくりの素人にとって3D-CADは操作が難しいです。

CGとは別物です。


次に大石会長からの紹介です。
精密糸鋸です。鋸の幅は0.16mmです。
非常に折れやすですが、真鍮でも木材でも良く切れます。
特にハープのマイクロ糸鋸は手のひらにのる程小さいですが
非常に便利です。ちょっと高価ですが

針やすりです。0.5mmはちょっと入手困難です。

 

 

 

ヒシカ工業の細工鋸です。

高級品です。

 

 

 

デザインナイフはオルファが有名ですが、NTが切れ味が長続きするので重宝するそうです。

早速求めましたが確かに良いです。

刃の角度は30度と45度があります。ピンセットの一覧です

めずらしい部品をつかむジグです。

大分以前にボークスでゲットされたそうです。

今は無いかもしれません。

 

 

 

定規ですが、穴があいています。

 

 

 

 

 

 

筆の数々 非常に高価な面相筆もあります。

プラモデルなどでは、墨入れ、ブラッシング、平筆などいろいろな筆をつかいますが、これだけ揃うと気持ちがいいです。

 

筆は作業が終わったあとの、手入れが大変重要です。

 

剃刀のような形のノコギリです。

紹介があったのは、チェコ製でした。

CMK H1006 very smooth saw で海外では検索するとヒットします。

42山もあるそうです。

カミソリノコの名称でネットで売っています。

薄さ0.13mmのカミソリタイプのノコ刃を使用するのこぎりです。

 

柄を付けて使います。

 

 

 

 

 

ドリルのようですが、ドリルではありません。

GodHandのビットブレード 平刀 5本セット です。

ピンバイスなどにくわえて使用する、小型かつ精密な彫刻刀の平刀です。

片刃で幅が五種1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm
軸の太さ:3mmでピンバイスにつかんで使います。

amazonでも売っています。

GodHandでは他にも変わった道具がたくさんあります。是非ホームページをご覧ください。

 

いろいろなカンナです。

 

 

 

 

まだまだ、いろいろな道具がますが、今回はここまでです。

 

 

 

 

 

次回をお楽しみに(^o^)/

 

2月の例会の様子

今年最初の例会です。
18名の参加でした。
今回は、特殊な船体塗装技法と撮影テクニックです。

(中島会員と三木会員のディスカッション風景)

 


最初は、三木会員のオスマンの沿岸交易船です。

書籍の図面からのスクラッチ部ルドです。

中東の船は、珍しいです。

 

 

 

この書籍の77ページにある図面からのスクラッチビルドです。

この本について、The Model Shipwrightのホームページでも紹介されています。

ヨーロッパとアジアに重点を置いて、世界中からの軍艦、商船、漁船、小型船の130以上の船舶設計図が掲載されています。
米国アマゾンで入手できます。

日本のアマゾンからも買えますがちょっと高いです。


製作工程はボートと同じで最初に型を正確に作っていきます。

ゲージを使って正確に整形します。

 

 

その型に沿って、キール、ステム、外板を張り付けていきます。

材はヒノキ材です。大阪では珍しいです。

 


自作でレーザーの十文字の墨出も活用して正確に製作されています。

 

 

ウエルもこのとおり、精密そのものです。

 

 

型から取り出したところ

 

 

 

船首、船尾を整えて、いよいよ塗装です。

 

 

大阪ではワトコオイル仕上げが多く、ボアステインなどを使ったりプライマーを使う方は少ないのですが、今回は鉄媒染です。

 

簡単に言うと鉄と酢で木材を着色するものです。

 

また軽くプライマーを吹いて、チッピングされています。

 

 

船首船尾の装飾も塗装技術を駆使されています。

塗装をすると材がヒノキでよいので、良いですね。

 

 

リギングで、非常に珍しい取り回しをしていることの紹介がありました。結構盛り上がりました。
Eighteenth-century Rigs&RiggingのP158にTurkish coaster from Constantinopleという項で記述があります。似たようなリギングが示されています。Levantine customと表現されていましたが、リギングの意味に言及がありませんでした。謎は深まるばかりです。

 

甲板のチークの経年劣化が上手く表現されています。

帆船模型でウェザリング技法を見るのは珍しいと思います。そういえば、ファレホやAK、AMMOを使った金属塗装やウェザリングの話は余り聞きません。レジンを使った3Dプリンタもそうですが、これらの新しい技法をどう帆船模型に取り入れていくのか?
楽しみです。


次は中島会員の帆船写真の撮り方です。
大変詳しい説明がありました。筆者は良いカメラを持っていませんので、CGで先生のお話を視覚化します。ただ帆船のCGの手持ちがないので、手元にあるBF109G6をモデルに使います。ご容赦のほど・・・


■絞りについて
8できれば11まで絞ると良いそうです。

絞りによるピントのイメージは右図のとおりです。

上のは、絞りが甘く、機首のエンブレムは鮮明ですが、尾翼の鉤十字はピンボケです
F11まで絞った下の写真は機首から尾翼まで鮮明です。

絞るとシャッタースピードが遅くなります
1/125より遅くなるとブレるので、タイマーなどを使います。


■レンズについて
広角レンズか望遠レンズかで像が変わります。

広角レンズの場合は手前が大きくなります。またバックスクリーンも広地ものがいります。

 

 

望遠の場合は、前後が圧縮されコンパクトになります。バックスクリーンも小さくて済みます。
右図でイメージしていただけるかと思います。


■バックスクリーンの色
写真のようりバックの色でかなりイメージが変わります。
黒色をにすると個性的になります。
青や白も使われますが、帆船の場合、索の色と被るのと、カメラのホワイトバランス調整の関係で船が暗くなりがちなので、白は避けて明るいグレーが良いとのことでした。
なお、船はバックスクリーンから離します。影が映りますから。


■照明
室内撮影では、照明がいります。

船は真横では見栄えがしないので、斜めにします。

メインの照明は高さに注意しながら決めて、影を作らないようにサイドにに補助の照明か反射板を置きます。

結果、照明は3つ以上必要となります。あえて逆光の照明:バックライトを置いて、輪郭を際立たせます。

下の画像をみると影が無いのが分かると思いますが、今一つ輪郭が浮き上がっていません。筆者の稚拙なレンダリング技術のなせるわざです・・・・

 

 


■アングル
目の高さが基本ですが、デッキの上が見えなくなるので、適宜工夫します。

ピント合わせは船の船首から1/3のところにします。

右図で明らかなように後ろにピントをあわせるより綺麗に撮れます。

まだまだ、面白い話が続きましたが、今回はココまでです。

次回をお楽しみ(^o^)/

 

 

 

11月の例会の様子

今年最後の例会です。

今回はチョット少なく12名の参加でした。

今回はロウソクLEDのランタンギミックがでてきます。

 


最初は、五十嵐会員のオランダの80門艦の製作の発表です。

今回は彫刻方法について説明がありました。

 

準備機材としてメガネ型ルーペと実態顕微鏡の説明があり
皆さんの関心を集めていました。

 

メガネ型ルーペは焦点距離が非常に短く(実感としては10mm)、
ロープの撚りの確認には使えますが彫刻作業には使えません。

サージカルルーペで✕5で焦点距離30cm以上のものとなると10万超えです。


実態顕微鏡は倍率10倍ですが焦点距離100mm程あるのでルータ作業が可能で十分使えます。


彫刻の参考書の紹介もありました。

スチール・バーもドリルよりはるかに廉価で使いやすいと紹介がありました。busch スチールバー

 

 


サービングの説明の際に120番の糸を使っていると言う説明に
どこで手に入るのか?質問がありました。

東京駅の八重洲口24番出口の直上
越前屋にあります。

ボビンレース用 エジプトコットン(エジプシャンコットン)#120
1000m


次はギミックでおなじみの田中会員が、作品展後にろうそくの炎のように揺れるランタンをビクトリーのカットモデルで回路を組み込み完成されました。

当日はビクトリーカットモデルを持参されれ、揺らぐロウソクの実演がありました。

 

 

 

このカットモデルが凄いです。

凝っています。

大砲は木製だそうです。

 

ランタンが、本当に雰囲気よく揺らいでいます。

この精密に再現された艤装。すごい!

 

 

ネルソン像まで作っておられます。

壁の彫刻もすごいですね。

床上のランタンもいい雰囲気です。

 

 

絵画も綺麗に再現されたています。

床のチェックも良く映えています。

いい雰囲気です。

 

 

この揺らぎを実現するために、裏に回路が付けられています。

複雑に部品が乗った基盤が2つ見えます。綺麗な半田づけです。

 

写真にあるとおり、大阪日本橋のシリコンハウス共立のLEDキャンドルキットを使われています。

この回路は左側が1.5Vを5Vにする昇圧回路でDC-DCコンバーターHT7750とインダクタ、ダイオード+コンデンサで構成されています。
秋月電子に使い方がでています。
右側がキャンドルICとも呼ばれるCDT3460で 発振器を備えたLED用のろーそくのシュミレート点滅用ICです
このICは2~5Vで作動するので、昇圧回路で1.5Vを5Vに昇圧しています。秋月電子に使い方が載っています。

動画出ないのが残念ですが、本当に絶妙な揺れ具合で良い雰囲気がでていました。

 

 


次は金岡会員の構造模型 フランスのフリゲート艦 オーロラです。

最初にクリートの製作です。

 

 

棒材を加工し、最後にスライスされます。

図でみると大きそうですが、非常に小さな部品です。

 

 

こちらが、その寸法です
細かいですね。

 

 

 

 

 

次はケベルの加工です。

棒材を加工します。

 

 

 

この防災をスライスしていきます。

細かな作業が続きます

 

 

 

スライスしたものです。

これで終わりではありません。

下に見える位置決め治具を使って仕上げていきます。

 

 


 ケベルひとつでこれだけ手間暇をかけます。

 

 

 

 


 

こちらは、シュラウドにつけるクリートです。

全部形が揃っています。

船体のチャネルの加工です。

ピッタリあって気持ちがいいですね

 

 

 

 

チャネルのチェーンは先に位置決めして取り付けられています。

この傾きが大切で綺麗に揃っています。

 

 

 

マストトップの部材です。

失わないように部品図に仮止めされています。

ちょっとした工夫ですが大いに参考になります。

 

トップの加工です。

微妙に板の組み合わせに隙間があるのですが、分かるでしょうか?

 

 

 

トレッスリツリーとクロスツリーです

こちらも部品図に仮付けしたおられます。

 

 

 

トップは黒染スプレーで塗装されています。

 

 

 

ロープワークでおなじみのオリンパスの撚機ですが、捻じれ防止の治具を自作されています。

撚り回数も正確にカウントされているそうです。

まだまだ続きますが、今日はこのへんで!(^^)!

そうでした事務局から新年会の案内がありました。

乞うご期待(^o^)/

 

 

10月の例会の様子

 

今回は16名の参加でした。
事務局からの連絡で次回11月は20日の開催です。
お間違えのないように!

 


中島会員の出展作品1/72マモリ社の武装カッターのハンターです。

1797年の沿岸警備で活躍した武装カッターです。
武装カッターといえばアラート1777年が有名ですが、こちらは1797年です。
文献を調べると、HMS HUNTERは3隻あります。
1755の2本マストのスループ。
1763~1771に活躍した72t艇長15m28人乗りのカッター。武装は3ポンド砲4門
1796~1797に活躍した336t船長30mのスループ。武装は24ポンドカロネード砲が16門です。

ということで、実在の船ではなさそうです。
船体はChapmanの図面を参考にしていると説明がありました。

この本は、18世紀のフルート船、フリゲートなど多種多様の船体図面集です。

意外にリーズナブルな価格です。
この本の後半、LX 6にEnglish Cutterがあります。

その図を示してキットとの類似点を説明されました。

図面では全長54フィート(16m)3ポンド砲12門スイベル14門、オール5組となっており砲の種類以外はキットとぴったりです。

このキットの砲はカロネ-ド12門です。

砲耳が付いていますので、お馴染みのものよりかなり初期のものです。

おそらく12ポンドでしょう。
同時代の武装カッターのドルフィン(93t艇長18m36名)が12ポンドカロネード砲4門を備えているので
この時代でもカロネード砲を備えた武装カッターはあったようです
武装カッターにカロネード砲というのは理屈からいいうと不合理です。
沿岸警護が目的で艦隊戦をするわけではないので、射程の短さは不利です。
1778年ころに英国で発明されたカロネード砲は榴弾砲ではなくはありません。
軽量砲で上甲板に備えられ、少人数で扱え大きな砲弾が撃てる砲で英国、フランスで積極的に使われました。
ナポレオン戦争時(1799~1815)には小型艦艇にカロネード砲の装備が進められたようです。
ただ、オンタリオ湖の戦いでアウトレンジ戦法をとられカロネード砲を一発も撃てないということが発生し
失敗だったと文献には記載されています。
British artillery on Land and Sea1790-1820 P17


中島会員は、カロネ-ド砲はそのまま組み立てられています。

スイベルは3本のみたてておられます。

 

 

ポンプは通常のエルムツリーポンプに修正されています。

帆船時代の船は漏水が凄まじいためビルジを汲み上げるポンプがないと確実に沈没しました。

そのため、必ず複数装備されます。

Ships Bilge Pumps
Thomas J Oertling

キットのラダーも作り直されています。

ここで他の会員からクルミ材にしては木目というか 気孔 が目立つという話がでていました。

 


 

 

 

 

 

ガンポートのヒンジは大きくなりがちなので正確な寸法を意識されています。

 

 

 

 

 

こちらのウインドラスは100円ライターの部品を流用されているそうです。

 

 

 


中島会員の作品には珍しくセールが付いています。

カッターの特徴としてバウスプリットが非常に長いです。

中島会員からは次回は写真の撮影ノウハウについて講演いただけるようです。

今から楽しみですね。(^o^)/

 


次は西川会員からクリンカービルドの模型加工での手法の説明です。

バイキング船やコグ船、オランダ船などではクリンカー張り(鎧張り)が必要となってきます。

ただ、実物どおり、下から上へ重ね合わせると意外に大変な作業となります。

西川会員は、外板を三角形に加工して見た目クリンカー張りに見えるようにされたそうです。

発想の転換ですね(^o^)/

三角形の加工にも大槻マシーンを活用し、きれいに加工されています。

次にB曲げの治具の紹介もありました。
木は圧縮に耐えますが引き伸ばしに脆弱なので、決して外側を伸ばしてはいけません。家具工房では銅板を沿わせて外側が伸びないようにします。とにかく内側を圧縮するイメージでB曲げしてましょう(^o^)/

また治具として半田コテの先に付け替えるミニアイロンの紹介がありました。

これは外板張りなどで大変便利です。

是非ひとつ揃えましょう!!

また、温度調節器の紹介がありました。

これも非常に便利です。上手に温度設定すると木を焦がすこともありません。お勧めです。

今回はここまでです。次回は11月20日です。ご興味のあるかたは是非、見学に来てください。

9月の例会の様子

作品展後最初の例会を開催しました。
17名の参加でした。
今回は作業実演もあって濃い内容でしす。

 

事務局長から作品展の結果について総括がありました。

沢山のご来場ありがとうございました。

 


太田会員から作品展に出品されていたフライについてギャレーの制作など、工夫した点の説明がありました。
作品展には積載するはずのボートが間に合わなかったと残念がられていました。

ストーブも丁寧に製作されています。

ただ、完成すると甲板に隠れて見えなくなってしまったのは惜しいと言われていました。

 

アンカーロープの重量感をだすのに苦労されたそうです。
フォアデッキで隠れてしまったストーブが見えます。

 

太田会員は今回5作品も出典されています。感謝、感謝です。

次は同じく太田会員の1/150ミニュチュアモデルのゴールデンハインドです。

以前に購入された1/50 アエロピコラのゴールデンハインドの図面を1/3にして1/150とされたそうです。

 

トップのデッドアイをどう捌くのか?

製作の疑義について、中島会員も加わって議論に華が咲きます。

リアル例会ならではの良いところです。


ミニチュアモデルと言えば世界の第一人者は、米国のLloyd McCafferyロイ・マッカフリーでしょう。その作品は精密そのもの、です。

彫刻も素晴らしくフィギュアヘッドの精密さはまさに神業です。

 

 

本も出版されています。筆者は20年前に入手しました。

 

 

1/150といえば、ミニチュア帆船模型のレジェンドの坪井悦朗さんが、浪華丸を1/150で製作されています。

坪井さんの代表作は1/300のラ・ルノメLa renomméeVictoryが有名です。
横浜の作品展でもみれます。


次に早川会員からセールについて講義と実演がありました。

 

 

 

セールの外周の補強のためのボルトロープとセイルの縫い付けについてです。
必ずロープの撚り目に沿って、3本撚りの1本にかがるように縫い付けます。
従って、外観上は縫い付け糸は見えません。

実線でもこれが見える様では擦れて縫い付け糸が切れます。

この精密な作業に一同唖然です。

 

 

 

 

蛇足ですが、ここらの説明については、文献もありますので御紹介です。



 

 

 

 

 

In sewing on the bolt rope you work from left to right,with the rope on the near side of the canvas.Thus the needle goes first throught the rope and then the canvas.The needle must go under the uppermost strand nearest the sail,and never through a strand.The proper size needle would be a No15 or 14,and if the point is dulled a bit on an oilstone there is less of a tendency to pick up or go throught an adjacent strand.
ボルトロープの縫い付けでは、キャンバスの手前側にロープを置いて、左から右に作業します。従って、針は最初にロープを通り、次にキャンバスを貫きます。
針は帆に最も近い一番上のストランドの下を通らなければならず、決してストランドを貫いてはいけません。
針の適切なサイズは 15 番または 14 番です、オイルストーンで先端を鈍らせると、隣接するストランドを持ち上げたり、貫いたり、しなくなります。


次に、セールの端は折り返し(ライニング)の講義と実演です。

セールの端の折り返し(ライニング)は、結構面倒な作業です。

模型では、折り返さずに別の布を張ったり、両面テープを使って折りたたんだり、結構みなさん苦労されています。

今回、早川会員から目から鱗の簡単で綺麗に作業できる手法の紹介がありました。

 

 

 

2mm幅の折り返しを汎用の半田コテに自家製の先端を使った作業の説明です。

これは本当に古いもので特別なものではありません。これに半田こて用売っている温度調節器を付けて低温で安定させるのがコツだそうです。

接着剤やテープは一切使用していません、
実演を見るとコロンブスの卵で簡単できるのですが、その発想に至るのは大変です。

 

 

セールの端から2mmのところに金属製の定規をあてて、コテを外側からあて端をたてます。

定規とコテで2mmの布を持ち上げてセール端をL字状に折るわけです。

意外に簡単に時間もかからずサッと作業されていました。

一同ただただ感心です。

全長に渡ってL字状になったら、

実演用の布ですからセールの様な方になっていませんが、ご容赦を・・・

 

 

 

 

持ちかえて、手で押さえたコ字状にして上からコテで押さえます。とても綺麗にいともたやすく折り返しができます。

こうやって3つ折りを簡単に短時間に特別な道具もなく完成できます。

 

 


次に中谷会員からマルタ騎士団のガレー船について製作紹介です。
ガレー船は波の穏やかな地中海を中心に紀元前の古代ギリシャの時代から19世紀まで使われ1571年レパントの海戦(双方300隻のガレー船の戦い)の頃が頂点でしょう。

ガレー船についてちょっと見てみましょう。

 

 

 

紀元前3000年くらいにナイル川で荷物の運搬に使われたエジプトのガレー船です。完全なオープントップで櫂は1段です。

 

 

紀元前500年頃のギリシャのガレー船です。

ガレー船はギリシャで大きく発展します。2段櫂bireme 3段櫂triremeもこのころ出現してきます。

 

ギリシャのガレー船をローマが更に発展させます。

ローマの3段櫂船triremeです。

オールが3段になっています。

漕ぎ手は上下2段の甲板に別れ、上段は椅子の高さで上中のオールを漕ぐように工夫されていますが、これだけのオールが重ならずにリズムよく動かくすのは相当の鍛錬が必要です。このころの漕ぎ手は奴隷ではなく一般市民です。

ガレー船はオールを漕いで4.5ノットだせたと言われています。一説には6ノットとも瞬間では9ノット出せたといわれています。
紀元前3000年の昔から中世に地中海で大きく発展し、1571年のレパントの海戦が絶頂期でしたが、その後もフランスやスペイン、ロシアでは言い換えると地中海やバルト海では1800年ころまで使われた息の長い船種です。

一見すると外観上の大きな変化は見られません。
実は細部は変わっています。
ますセールです。エジプト、ギリシャ、ローマのガレー船は1本のメインマストに四角帆を張っています。

中世になると1,2つのラテーンセイル(三角帆)がつき、17」世紀では四角帆はなくなり2本のラテーンセイルがつきます。3つあるものもありました。

オールの漕ぎ方が変わっています。最初はGalley a la Sensileでオール1本を1人で漕ぎます。従って船が大きくなるとオールの数が増えます。そこで2段櫂、3段櫂がでてきます。多数のオールがぶつからずにリズム良く漕ぐのは熟練の技が必要でした。14~15世紀頃から変わります。Galley a la Scaloggio大きな1本のオールを5人~8人で漕ぎます。これだとオールの数は減り、誰でも(囚人でも奴隷でも)漕げます。
ヴェネチアのガレー船は大きく発展し、1オールを8人で扱う500人規模ものものまで出現します。16世紀には72オールのものもでてきます。この大型化がのちのガレアス船へと発展します。

沿岸で便利な小型のガレーも活躍していました。イタリアからフランス、スペインへも輸出されていました。
地中海やバルト海では18世紀まで使われていました。1802年でもマルセイユには15隻ものガレー船がありました。
ガレー船は多くの漕ぎ手が必要で商船には向きません。また大砲の時代となるとガレー船は喫水が浅く船幅も狭く軽量構造のため、重い大砲は載せられませんし、大砲が後退する船幅もありません。何よりオールの列が邪魔で砲列が配置できません。やがてその地位をガレオン船に譲ることとなります。

 

 

 

 

 


製作に当たって、図面の点検から始めねばならなかったそうです。

ヤードが長すぎ、タッキングができないなど不合理な点の修正、漕ぎ手の座椅子の補強修正や見張り台の追加などなど、細部にわたって再検討され修正されています。
そのためん、製作まえにいろいろとガレー船について勉強が必要だったそうです。

 

ボートを作るように最初に型をつくっておられます。

 

正確な方にフィラーを充填していきます。

大変なめらかできれいな船体ですあが船首、船尾には特に苦労されたそうです。

160本のフレームが入っていきます。材は主にペアウッドを使って製作されています。床はカステロ、オールもペウッドで朱色部分はサティーネ、大砲はパロサント材の削りだしです。

 

今回はここまでです。是非、例会にブラっと見学にいらしくください(^o^)/